OLTPとOLAPの実力を支えるテクノロジーは?
「Actian X」は商用とオープンソースの中間となるだけではなく、OLTPとOLAPのハイブリッドであるところも大きな特徴だ。両方の特性を持ち合わせているため、別々にデータベースエンジンを用意する必要がない。その点では商用製品群に近い。内部ではOLTP系のテーブルに対してのクエリーが来たらOLTP系トランザクションを中心としたデータベースエンジンが処理し、分析用のテーブルに対してクエリーが来たら世界最速のOLAP系カラム指向型データベースエンジンが処理している。
「Actian X」をOLTP系データベースの観点から見ると、性能と拡張性ではパラレルクエリー、クラスター、MVCC(MultiVersion Concurrency Control:多版型同時実行制御)、パーティション分割があり、高可用性ではバックアップやリカバリの並列処理、テーブルやインデックス再構成の並列処理、分散トランザクション、トランザクションログの二重化、ホットオンラインバックアップなど、エンタープライズ用途で求められる機能がそろっている。加えて古くから地理空間型に強いのも特徴だ。この特徴からドイツのルフトハンザシステム社が提供する航空運行管理システムに Actian XのOLTP系データベースが使われており、世界中の300社を超える多くの航空会社に対し、安全、安心のソリューションを提供している。
一方、OLAP系カラム指向型データベースでは、BIツールのバックエンドのエンジンとしての実力も侮れない。トランザクション処理性能評議会(Transaction Processing Performance Council:TPC-H)では、カラム指向も扱える他の商用リレーショナルデータベースと比較しても圧倒的な速さを誇る。OLAPの技術は長い歴史と実績の中で磨きあげられたもので、主にベクトル処理、カラムごとの格納構造、オンチップキャッシュ演算、高性能圧縮が挙げられる。
このようにデータ分析の高速化にはかなり注力している。また分析処理が高速であるだけではなく、コストパフォーマンスで見ても優れている。最も性能が近い商用リレーショナルデータベースとコストパフォーマンスを比較すると、62%の費用で2倍以上の速さが得られるという分析結果もある。
これまで述べてきたように「Actian X」は歴史と実績に裏打ちされた確かな実力を持つデータベースを掛け合わせた製品であり、かつハイブリッドなので万能さもある。オペレーショナル分析など、トランザクションと分析の両方の機能が欲しいときには強みを発揮できそうだ。
Actian X を構成している二つのデータベースは前半でも述べられていた通り、世界中のデータベースエンジニアに育まれ、日本でも誰もが知っているいくつものデータベースの根源である。これほどまでに有能なデータベースでありながら、あまり存在が知られていないのは不思議である。しかし今回、エージーテックが、満を持して日本のデータベース市場に投入したことは非常に意義があることだ。データベースの運用コスト、維持費など、様々な角度から本来データベースに求めるものは何か、使う側も、提案する側も、向き合う機会になることは間違いないことだ。
エージーテックは1984年設立、1987年からActian製品ほかデータベース関連製品を多く扱っている。2017年10月から日本語版「Actian X」を販売開始している。エージーテック 代表取締役 西上悟氏は「Actian Xは育ちがよく、技術的にも磨かれている製品です」と誇らしげに語る。
現在、エージーテックでは、データベースを検討している企業や開発会社など、その実力をいち早く実感できるよう、期間限定で導入コア数無制限の「Actian X」を特別価格で提供するプログラムが用意されている。
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「Actian X」は商用リレーショナルデータベースに近い機能や性能を持ち、OLTPとOLAPのハイブリッドでありながらも、コストパフォーマンスで強みを発揮する。商用リレーショナルデータベースからの移行、あるいは既存システムの拡張として有力な選択肢となりうるだろう。