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クラウド、デジタル、働き方改革のスペシャリストがセキュリティについて語り合う

edited by Security Online   2018/10/04 06:00

クラウドに移行することでセキュリティは格段に高められる

原子:採用ですか。では次に友岡さん。

友岡:クラウドとの出会いは理論からでした。2006年にニコラス・G・カーさんの『クラウド化する世界』読み、そこで潮目が変わると感じました。昔、工場は発電機を持っていましたが、今や電気はユーティリティなので、コンセントにつなげば電気のサービスが得られます。ITもそのようになるという発想です。そこから10年余り。本当にその世界が実現しつつあります。

 2006年過ぎにはアメリカのサンディエゴにいました。AWSでサーバーがすぐに、それもアイルランドに作れて驚きました。S3に写真をアップロードし、データを簡単にアメリカからアイルランドに移せて衝撃的でした。 クラウド化するということは、周回遅れでも一気に逆転できるチャンスということです。中途半端にデータセンターを作ったり、SIerさんと10年契約してしまうと身動きがとれなくなります。2011年の東日本大震災を思い出してください。BCP対策が課題となり、多くの企業が日本の東西にデータセンターを作りました。10年償却だと、早いところでも2021年。2022~3年以降、ようやく日本でクラウドが開花していくと考えています。

 足元ではもっとローレベルです。ランサムウェアの被害を受けてるのは工場の古いパソコンです。ひどいものはWindows 95とか。対策にはネットワークから切断するのもありますが、情シスの実効支配力を高めることが必要ではないでしょうか。サーバーやパソコンと名のつくものはすべて情シスが管理する。セキュリティを高める上で大事です。

フジテック株式会社 常務執行役員 情報システム部長 友岡 賢二氏
1989年松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)入社。独英米に計12年間駐在。株式会社ファーストリテイリング 業務情報システム部 部長を経て、2014年フジテック株式会社入社。一貫して日本企業のグローバル化を支えるIT構築に従事。早稲田大学商学部卒業。

原子:沢渡さんの話だと嫌われそうですね。

友岡:各部門のサーバー管理者を説得して手放してもらいました。たまにサーバー保守が好きな人もいますが、管理者は停電対応などで週末にわざわざ出勤することがありました。情シスが引き取ったら休日出勤する必要がなくなり、喜ばれました。

原子:友岡流は上手ですね。

友岡:セキュリティの取り組みですが、クラウド化するとセキュリティは格段に上がるんです。データセンターの物理セキュリティは、いろんな意味で突っ込みどころ満載です。役員にデータセンターを直接見せて、ひとつひとつ説明しました。クラウドで危ないものはオンプレでも危ないです。

原子:被災された方もいるかと思いますが、最近北海道で地震がありました。石狩のデータセンターは何とか頑張ってくれましたが、オンプレは苦戦しましたね。

茂岩:クラウドが安全というのはぼくも同意です。例えばセキュリティ監査。AWSだとAWS Configで権限を設定すれば、すぐに情報が取得できます。データセンターの時代はインフラを熟知した部門が介在しており、そこで安全性を保てていました。クラウドだとセキュリティを理解していない人でも使えてしまい、悪気なく漠然と設定してしまうのがよくないのです。クラウドは正しく使うことでセキュアにできると日々感じています。


著者プロフィール

  • Security Online編集部(セキュリティ オンライン ヘンシュウブ)

    Security Online編集部 翔泳社 EnterpriseZine(EZ)が提供する企業セキュリティ専門メディア「Security Online」編集部です。デジタル時代を支える企業の情報セキュリティとプライバシー分野の最新動向を取材しています。皆様からのセキュリティ情報をお待ちしております。

  • 加山 恵美(カヤマ エミ)

    EnterpriseZine/Security Online キュレーター フリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。 Webサイト:http://emiekayama.net

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