「IT分野でグローバル市場に後れを取る日本の支援を」
ウェスト氏は、はじめに同社の2018年度を振り返り、国内製造業の顧客と累計10の共同ITソリューションを提供するなど日本のデジタル変革を支援できたこと、インテント・ベース・プラットフォームをはじめとする次世代プラットフォームの構築、中小市場における成長など日本市場における事業展開について触れた。
さらにウェスト氏は「2018年度、スマートなつながる社会を実現するため、新規スマートシティ実証事業に着手。ハードウェアが主だった事業をハードウェアとソフトウェアおよびカーリングビジネスに拡大できた。東京2020に向けたスポーツ/エンターテインメント分野における取り組みも拡大。さらに、2018年版「働きがいのある会社」(大規模部門)において、第1位となった」と報告した。
国内における顧客環境について、国内企業の多くは自動車分野が代表される関税など地政学的懸念を抱いていると同社は分析する。また、国内企業は高齢化社会や女性、障害者の雇用といった労働生産性についての課題も感じているという。ウェスト氏はこれらを「外的環境の変化による課題」とした。
そこで、技術的な懸念についても言及。まず現在、移行が急速に進むクラウドサービスで、国内企業の多くはどうやってセキュリティ対策をするのか、柔軟に移行するにはどうすれば良いのかと頭を抱えているという。さらに、国内企業はデータやAIの活用が何を実現してくれるのか、様子をうかがっている。
こういった技術的な課題観を受けウェスト氏は「日本はグローバル市場よりもITの活用が遅れている。我々は日本の市場とグローバル市場の歩みが同調となるように支援していきたい」とした。そのほか、2025年までには日本国内の30%が5Gを活用するという予測などにも触れ、5Gへの移行によるデジタルビジネスの活性化も環境の変化として挙げ、テクノロジーの成長と同時並行でセキュリティ上の脅威がさらに複雑化するという警鐘を鳴らした。