北九州の自然で育ち、国文学を専攻するも就職先は巨大SIer
2018年11月に開催されたMicrosoft Tech Summit 2018、数あるブレイクアウトセッションの中にリレーショナルデータベース(RDB)の次期バージョン「SQL Server 2019」を解説するものがあった(Microsoft SQL Server 2019は「SQL Server Big Data Cluster」でデータ分析基盤を目指す)。
このセッション前半で登壇していたのが日本マイクロソフト サービス事業本部 シニア プレミア フィールドエンジニア 平山 理さんだ。エンジニア人生のほとんどをSQL Serverと伴走し、進化を影で支えてきた。どんな半生を過ごしてきたのだろうか。
出身は北九州。子ども時代は海で釣り、山でカブトムシ採集など、自然に多く触れてきた。海で遊んだときのおやつはアサリやカキだった。友達と一緒に火をおこし、焼いて食べた。ただし子どもが作る火力は弱く「(衛生的に)やばかったかもしれませんね」と平山さんは笑う。
中学になるとゲームで遊ぶことも覚え、高校になるとMSXのベーシックで多少のプログラミングもした。自然で遊ぶ時も、コンピュータで遊ぶ時も7時間くらいどっぷり浸ったそうだ。徹底的に没頭し、集中力が持続するタイプなのかもしれない。
大学の専攻は国文学で生粋の文系。卒論は宮澤賢治だったそうだ。とはいえ宮澤賢治は「銀河鉄道の夜」に当時最新の天文学から着想を得ていたという説もあり、科学に通じていた。文系出身でありながらコンピュータ技術の最先端に携わる平山さんの姿とどこか重なる。
就職活動では全方位に目を向け、「コンピュータもいいかな」と軽い気持ちでIT企業も回った。結果的に就職先は大手SIerに決まった。職種はエンジニアで、社内システム構築の部署に配属された。社内システムだと身内向けとはいうものの、会社の規模が大きいためシステム規模も当然大きい。プラットフォームはメインフレーム、データベースはIBMのDB2。データベース管理者の業務も経験した。
しかし3年半で転職。システム開発の仕事は嫌いではなかった。平山さんは「朝礼やラジオ体操が合わなくて」と冗談を言う。実際には「汎用機(メインフレーム)ではなく、Unixを扱いたい」と、エンジニアとして新技術に触れられる環境を求めていた。そんな折、新聞の求人広告で「データベースのテクニカルサポート募集」を目にした。募集していたのはサイベース。リレーショナルデータベースを扱う外資系企業だ。
テクニカルサポートという職種には自信がなかったものの、より新しい技術(データベース)を扱いたいという転職希望に合っていた。平山さんは応募し、無事に採用された。