フルマネージドで伸縮自在「AWS VPN」
企業の従業員がリモートワークするなら、少し前まではVPNで企業のネットワークに接続していた。しかしVPNルーターなどの設備には許容範囲があり、そう簡単に拡張できないのが課題となっている。
AWSにはクラウドベースのVPNとなるAWS VPNがあり、フルマネージドで伸縮自在であるのが特徴だ。基本的には従量課金で利用できる。1エンドポイントあたり2000同時接続まで可能。ユーザーはAWS Client VPNを通じてAWSにあるシステムはもちろん、AWSから専用線で接続した企業のネットワークにも接続することができる。
ユーザーが使うVPNクライアントはAWSが提供する「Client for AWS Client VPN」のほか、オープンソースの「OpenVPN クライアント」も利用可能だ。
ビデオ会議やチャットでオンラインミーティング「Amazon Chime」
コロナ禍で最も普及したリモートワークツールといえばビデオ会議ではないだろうか。企業だけではなく、友達とのおしゃべりや飲み会にも広がった。さらに教室で実施していた各種講習やレッスンが自粛期間中に続々とオンラインで提供されるようになってきた。
AWSが提供しているビデオ会議ツールが「Amazon Chime」。ブラウザや専用アプリを用いて、音声またはビデオ会議を行う。パソコンからスマートフォンまで多様なデバイスに対応していて、画面共有やチャット機能もある。ネットワーク回線または電話回線を使う。会議に参加するためのパスワードを必須としたり、AWS CloudTrailで監査ログとするなど、企業向けのセキュリティ機能も充実している。
仮想デスクトップサービス「Amazon WorkSpaces」
仮想デスクトップサービス(VDI)もVPN同様にハードウェアの壁があったものの、AWSはフルマネージドで従量課金(月額または時間単位)で利用できる「Amazon WorkSpaces」を提供している。DaaS(Desktop as a Service)ソリューションだ。
Amazon EC2のようにリソースで選べるのがAWSらしい。1 vCPU 2 GiBメモリの「バリュー」から、GPUインスタンスとなる16 vCPU、122 GiB メモリ 1 GPU 8 GiB ビデオメモリの「グラフィックスプロ」まで、幅広いリソースと価格帯から選べる。
アクセス元として使用できるデバイスはWindows、Mac、Chromebook、iPad、Androidタブレット、Kindle Fire HDX、ブラウザならChromeやFirefoxが使える。セキュリティ面ではストリームデータや保存データの暗号化、多要素認証、証明書によるデバイス認証、Active Directoryによるユーザー認証も可能だ。