SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

EnterpriseZine Press

Salesforce Ventures調査、コロナ禍でSaaSビジネスは厳しい時期だがDXは加速


 セールスフォースの戦略投資部門、Salesforce Venturesの発表した調査レポートからは、アフターコロナ・ウィズコロナの時代の世界の各社のDXへの取り組みがうかがえる。逆風の状況下でDXが加速しているのはなぜか? 「従業員」「顧客」「ビジネス」「地域社会」の分野でのCEOの重点課題と戦略を読み解く。

9割の企業がリモートワーク移行を評価

 Salesforce Venturesは、世界260社以上のSaaS企業に投資を行うセールスフォースの戦略投資部門である。2020年4月にManaging DirectorのMatt Garratt氏は自身のブログで投資先を対象に実施した調査結果をレポート『Enterprise Technology Response to COVID-19 Survey』として発表した。

 調査は投資先の一つでオンラインアンケートツールを提供するSurveyMonkeyの仕組みを使って行われた。回答を得られた66件はいずれもSalesforce Venturesが投資している企業のCEOであり、全体の3分の2が米国、残りを欧州、カナダ、APACが占めるという。企業プロファイルとしては、アーリーステージの成長中の企業が中心である。

 約8割がシリーズC以下の企業であり、従業員数で見ても8割が250人以下の規模である。また、主なビジネスターゲットも9割弱が中堅・中小企業である(図1)。さらに、41名のCEOからの追加回答もレポートに反映されている。

図1:調査概要 (出典:セールスフォース・ドットコム)
図1:調査概要 (出典:セールスフォース・ドットコム)

 この調査では「従業員」「顧客」「ビジネス」「地域社会」の4つの分野に着目している。まず、従業員のためにどんな施策を取り組んでいるかから見ていく。2020年3月から4月にかけて、スタートアップに限らず、世界中のあらゆる企業が最優先で取り組まなくてはならなかったのが、従業員の身体的な健康と精神的な健康をサポートすることであろう。結果からは多くの企業が、福利厚生の充実を含め、従業員がこのストレスの多い時期を乗り切るために必要なものを従業員に提供しているとわかった。

 最もわかりやすい例がリモートワークである。日本でも多くの企業で急速に対応を進めたが、同調査では、95%の企業が完全にリモートワークに移行しているとわかった。リモートワークに移行後の業務効率に関しても9割弱が良いと捉えている。この高い評価の背景には、時間的に柔軟な働き方ができるようにするための社内規程の整備だけではなく、オンライン会議中に子供やペットが画面に出てこないような指導やホームオフィス用の備品の提供や追加手当のような施策を実施していることがある。

 CEOにとってのチャレンジは従業員の働く環境を整備することだけではない。不確実性の高い困難な時期でも、従業員とのコミュニケーションを通してチームの士気を維持することや雇用の維持が求められた。各企業のトップは従業員と頻繁にコミュニケーションをとっている。回答者の8割弱が、少なくとも週に1回は全社会議を開き、チームの最新情報を伝えている。そしてチャットアプリを利用して日次のコミュニケーションを取り、従業員同士がつながりを感じられるように工夫を凝らしていることもわかった(図2)。

図2:コロナ禍での社内コミュニケーション (出典:セールスフォース・ドットコム)
図2:コロナ禍での社内コミュニケーション (出典:セールスフォース・ドットコム)

次のページ
コロナ禍の時期こそカスタマーサクセスが必要、営業戦略転換も

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
EnterpriseZine Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

 IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/13056 2020/06/10 18:16

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング