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週刊DBオンライン 谷川耕一

アフターコロナで必要なデータ分析力のために――データビークルが新製品投入


 AIや機械学習は、世の中に随分と普及したように思われる。多くのアプリケーションにAI機能が取り込まれ、データからモデルを作り機械学習技術を活用できるツールも多数登場している。さらにMLOps、AIOpsという考え方も登場し、データ収集、整備から学習、モデル構築から運用までのライフサイクルをスムースに回せるようにする取り組みも注目されつつある。

アフターコロナの時代にはデータ分析に対する意識が高まる

データビークル代表取締役CEO 経営責任者兼営業責任者 油野達也氏
データビークル代表取締役CEO 経営責任者兼営業責任者 油野達也氏

 「高度なデータサイエンティストのスキルを全ての人に」とのコンセプトで、統計や機械学習技術を誰でも活用できるようにする「dataDiver」を提供しているのがデータビークルだ。同社 代表取締役 CEOの油野達也氏は、アフターコロナ、ウイズコロナの時代には「データ分析に対する意識が高まる」と言う。

 新型コロナウイルスに関連する報道などでは、罹患者数の推移などさまざまなデータが示される。それらを表現するグラフを作るために、日々誰かの手で統計解析の処理などが行われているはずだ。日々の罹患者数の推移だけでなく、移動平均線などこれまでの日常生活では馴染みのなかった指標を示すグラフも毎日目にする。結果、人々のデータや統計解析に対する意識が高まると言うわけだ。

 また飲食店などでは、急遽ケータリングのサービスを始めたところも多い。ケータリングを始めれば、サイトなどでユーザー登録がなされ、誰がいつどのような商品を注文したかのデータが蓄積される。さらにECサイトの利用も増えており、生産者が従来の流通経路だけでなく商品を直接届ける新たなチャネルの開拓も行っている。顧客との接点が増えれば、得られるデータは当然増加する。それら増えたデータを使い、需要の予測などをなるべく正確に行いたいとの要望が出るのも必然だ。

 コロナ禍でビジネス環境が急激に変化する中、新たに得られるデータの分析を外部に依頼していたのでは、コストも時間もかかりビジネスチャンスを逃してしまうだろう。また流行のAIで分析すれば何らかビジネス価値のある答えが得られると考えがちだが、高度な分析を行い結果が得られてもそれで確実に売り上げが向上につながるとは限らない。

 ビジネスプロセスにタイムリーに結果を反映させ、アクションを変えるところまでできて初めてビジネスに良い影響が出る。分析はしたけれどタイムリーではなかったり、結局はいつもと同じようなグラフ止まりだったりとなり、データ分析がビジネスに影響を与えないままということも多い。

 データから簡単なグラフを作るだけでは、正確な予測はできない。一方でBIツールなどを駆使しして複雑なグラフが作れても、そこから購買可能性の高い有効な顧客リストをすぐに抽出できるわけでもない。こういったデータ活用の課題がある中で、統計家でデータビークル最高製品責任者の西内啓氏のノウハウを詰め込んだデータ分析環境のdataDiverを提供し、データサイエンティストの手を借りずにビジネス現場の担当者がデータ活用できるようにしている。

 dataDiverは「市民データサイエンス」のための拡張アナリティクスツールを謳っており、経営課題を入力するだけで、自動で必要な分析用のデータを準備できる。そのデータに対し、適切な分析手法も自動で選ばれ分析が行えるようになる。分析して得られる結果は、自然言語でビジネスユーザーでもわかりやすく表示される。この一連の工程を繰り返すことで、自社ビジネスにとって有効な予測のモデルなどを見出し、それをビジネスプロセスに適用することが容易に行えるようになる。

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モデル作りとモデルを活用する部分を分離してよりデータ活用をしやすくする

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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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