SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

DX推進の最前線をキャッチアップ

時代が求める攻守一体のIT部門 外資から転身し経営目線も有する資生堂CITOから見た課題と解決策


CIOの評価軸は事業理解の先にある

押久保:高野さんは各社でCIOを歴任されてきました。端的にCIOの評価軸はなんだと思われますか? 何を達成すれば評価されるのでしょうか。

高野氏:経産省が2015年から「攻めのIT経営銘柄」を選定しています。この取り組みではデータとデジタルで企業を変革して競争上の優位性を確立しているかをみているわけですが、これまで守り中心だったIT部門が、変革して競争上の優位性を確立させるために、攻めにも強くなる必要が出てきたことを意味しています。

成塚氏:これまでIT部門は社内ユーザーに相対してきたわけですが、それだけではなくなったというわけですね。しかし、IT部門といえば、トラブルはなくて当たり前。あったらとんでもない。つまり「守りの徹底さ」を常に求められてきた部門。その上で、さらに攻めが求められる——。

高野氏:その通りです。私もこの業界で30年弱ずっとやってきていますが、IT部門、そしてそれを率いるCIOにとって今は特に複雑で難しい時代かもしれません。攻めと守り、業務的には両方をバランス良く取るようにしています。今、評価軸として考えられるのは、この攻めと守りのITをどれだけバランス良く運用できるかではないでしょうか。

押久保:攻めと守りのITをバランス良く運用するコツはどこにあるでしょう?

高野氏:事業戦略理解が重要だと思います。ITは企業を変革するための道具になってきている現在、経営を理解した上でITを使いこなす力が求められます。ITが単体としてあるのではなく、経営とITは切り離せないと捉えます。

成塚氏:経営目線で考えると、IT部門への負担は増していきますね。具体的にはどのように推進されていますか?

高野氏:会社の中期経営計画や年度計画、事業部門のカウンターパートとのコミュニケーションを通じて、投資の優先順位やリソースの配置を決めています。

成塚氏:全体、または部門ごとに実現したいITサービスやシステムがあり、それを全部盛り込むことはできないですよね。

高野氏:その通りです。現場からの意見を聞いてしまうと、全てカバーしなくてはいけないという気持ちになってしまう。しかし予算とリソースは限られている。どうしても濃淡をつける必要が出てきます。よってコロナ禍での今年の投資の見直しや、次年度に向けての投資予算の準備において我々がガイドラインを作りました。事業部門がIT投資要望をまとめる際に、このガイドラインに沿って出すように依頼をしたのです。

成塚氏:確かに事業部門は欲しいITサービスはもらえるだけもらいたい。一方で提供するIT部門は予算面、リソース面からも全てを承諾できない。結果、IT部門と事業部門の間で膨大な調整工数がかかります。策定されたガイドラインはどのようなものですか?

高野氏:これまではコミュニケーションベースでしたが、前年度の実績をベースにデータを提示し、そのデータと投資における優先順位の考え方を提示し、それらを踏まえて要望を出してもらうようにしています。いわば「数字と優先順位のガイドライン」です。「要望を出して」というのと「こういう考え方と前提数字でこういう内容が知りたいからこういう形で要望を出して」では、出てくる内容はまったく違ってきます。これは予算策定の時だけでなく、実績管理でも同じですね。

次のページ
「予算」と「実績」の管理とチャージバックが大きな課題

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
DX推進の最前線をキャッチアップ連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

中村 祐介(ナカムラ ユウスケ)

株式会社エヌプラス代表取締役デジタル領域のビジネス開発とコミュニケーションプランニング、コンサルテーション、メディア開発が専門。クライアントはグローバル企業から自治体まで多岐にわたる。IoTも含むデジタルトランスフォーメーション(DX)分野、スマートシティ関連に詳しい。企業の人事研修などの開発・実施...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/13318 2021/05/14 14:01

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング