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米中対立、コロナ禍、5Gで高まるリスクとセキュリティの要諦―CRS 西尾素己研究員が解説

 2020年は新型コロナウィルスは人々の生活様式や働き方をがらりと変えた。ここでは国際政治、経済、安全保障の面からサイバーセキュリティがどう変わりつつあるか、現状を多摩大学ルール形成研究所 首席研究員 西尾素己氏が解説する。

コロナ禍でじわじわと進む規制強化 サイバーセキュリティにも変化

多摩大学ルール形成戦略研究所 首席研究員 西尾 素己氏
多摩大学ルール形成戦略研究所 首席研究員 西尾 素己氏

 予断を許さない状況が続いている中、誰もが新型コロナウィルスの動向を注視している。健康面はさることながら、経済面での影響も気がかりだ。まだウィズコロナの渦中ではあるものの、あと何年続くのか、収束したとしたら世界はどう変わっているのか。

 世界経済を考えるなら、鍵を握るのが対立を深めている米中関係だ。米国では大統領選が間近に迫り、政権交代か留任かに注目が集まっている。勝敗は今後の世界情勢を大きく左右するだろう。

 西尾氏が最初のテーマとして掲げたのが安全保障経済政策(ES:Economics Statecraft)を土台としたハイブリッド戦争。ESとは経済安全保障を名目にしながら経済政策も進めていくもので、西尾氏は「米中は10年前からやっている」と指摘する。今後さらに激化していく様相を呈している。ポイントとしては「サイバーセキュリティがテクノロジーの世界だけの話ではなく、国際政治や経済戦争のフックになってきている」と西尾氏は言う。

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 例えば米国ならサプライチェーンの囲い込みだ。政府入札に参加する資格にサイバーセキュリティ成熟度モデル認証(CMMC:Cybersecurity Maturity Model Certification)があり、一定のサイバーセキュリティ上の配慮が求められている。もともとコロナ禍前から米国国防省向けに進められてきたところ、コロナ禍を機に全産業展開へと拡張していきそうだ。

 中国は少し前まで低価格戦略で成長してきた。中国メーカー各社は圧倒的なコストパフォーマンスを強みとして製品を販売していたところ、最近では米国のようにサプライチェーンや情報の囲い込みを始めてきた。欧州ではGDPRの個人情報保護に象徴されるような情報制御戦略がある。各国それぞれ戦略に基づいた規制があるため、購買者は規制に対応した製品を選ぶようになる。そのためESは経済安全保障でありながらも経済政策の側面も持つ。

 こうした情勢で、きな臭いのが製品に潜むバックドアだ。故意か過失か、5G関連などで検出され、そのたびに物議をかもしている。背景には国家支援型サイバー攻撃があるとされる。バックドアがあれば攻撃のコストは大きく下がり、有利に進められるからだ。日本に関係するところだと、過去に中国メーカーのWi-Fiルーターでバックドア(CVE-2017-3216)が確認された。十分警戒が必要だ。製造業で生産拠点を海外に置くなら、バックドアが仕込まれていないか、検閲をどこでやるのかも考慮する必要がある。

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5Gと米中経済対立

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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