
ITという分野に関わらず、広い領域で耳にすることが増えた「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉。意識しないうちに「わが社でもDXを推進していかなくてはならない」といった言葉を口にしていたという人も多いかもしれません。では、部下や上司から「DXってなに」と訊かれたら、正確に答えることができるでしょうか。今回取り上げる一冊は、そんな質問の答えに詰まったという方をはじめ、すべてのビジネスパーソンが知っておくべき内容となっています。
耳にするけど詳しくは知らない「DX」という言葉
新型コロナウイルスの影響もあり、あらゆる企業が戦略の見直しに迫られています。その中で、必ずと言ってもいいほどに取り上げられるトピックが「DX(デジタルトランスフォーメーション)」ではないでしょうか。
とはいえ、DXという言葉を聞いてもいまいちピンとこない、どういったものがDXなのか想像がつかないという人も多いと思います。たしかに、DXという概念は広範にわたり使われているため、その本質を掴むことは難しいかもしれません。
そこで、今回紹介したいのは『これからのDX〈デジタルトランスフォーメーション〉』という書籍です。なぜ、いまDXが必要なのか。そして、DXを推進していくという言葉がどのようなことを指しているのかということが図式で解説されている一冊となっています。
本書はDXという言葉の定義から始まり、実際にどのような取り組みが社会で行われているのか。そして、これからの未来はDXの推進でどのように変化していくのかまでを紹介しているため、何も知らないという方でも、最後まで読むことでDXを取り巻く動きが分かるようになっています。
そもそもDXってなに?なんで注目されている?
実は、DXという言葉が持つ意味は、第三者によって厳密に定義されているわけではありません。一般的に、DX(デジタルトランスフォーメーション)と呼ばれているの考え方を提唱したのは、スウェーデンのエリック・ストルターマン教授といわれてます。
ストルターマン教授は、DXは「ITの浸透が、人々の生活をより良い方向へ変化させる」ということを指していると説明しています。とはいえ、このように一般化された状態ではとても抽象的に感じてしまうかもしれません。
では、企業にとってのDXとはなんでしょうか。これを的確に表したものこそ、経済産業省が2018年に発表した「DX推進ガイドライン」です。ここでは、「データとデジタル技術を活用して、ビジネスモデルを変革するとともに、競争上の優位性を確保するもの」(一部抜粋)と記されています。
つまり、私たちが仕事を行う上でDXと呼んでいるものは、経済産業省が発表したガイドラインに則った意味で使われていることがほとんどなのです。
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- この記事の著者
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岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)
1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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