ランサムウェアの攻撃からも確実にバックアップデータを守る
ルーブリックの普及が進んだ背景には、ランサムウェア攻撃が増えていることが影響している。2018年頃から世の中でランサムウェアによる攻撃が急増しており、実際に感染してしまい身代金を払わざる得なくなった企業も出ている。ランサムウェアの攻撃に対しては、バックアップデータを使うことで感染前の状態に戻して対処することがある。この時に必要となるのが、感染していない安全なバックアップデータだ。
昨今、ランサムウェアの攻撃は巧妙化しており、復旧のためのバックアップデータも併せて攻撃し暗号化することで、利用できなくするという手法もとられている。
「ルーブリックの場合はバックアップアプライアンスであることに加え、イミュータブルなファイルシステムになっているため、保護されているデータがランサムウェアに感染しないシステムになっています。ランサムウェア対策を念頭に置くと、ルーブリック以外の従来型バックアップツールは選びにくくなっていると思います」と小幡氏。ランサムウェア対策の機能が備わっていることは、自然災害などの事故に備えた保険として捉えられることが多いバックアップ機能単体の製品よりも、企業側で予算をつけやすい面もある。
さらにルーブリックのもう1つの特長が、クラウドデータマネジメントだ。AWSやMicrosoft Azureとの連係機能は、今やどのバックアップツールベンダーも搭載している。ルーブリックは、クラウドと連携して使うことを前提とした設計をしており、GUIも最初からそれを意識した作り込みがなされている。
「バックアップのツールには、1990年代から続く歴史の長い製品もあります。それらのツールが開発された頃は、当然ながらランサムウェアやクラウドもありませんでした。ルーブリックは新しいツールなので、最初からランサムウェアやクラウドなどの新しい要件に対応した設計になっています。新しい技術に対応する機能が後付けではなく、標準機能として組み込まれており、しかも誰でも簡単に使えるようになっているのです」(小幡氏)
ある製造業の企業では、ランサムウェア攻撃を受けシステムが利用できなくなってしまったことがある。このとき復旧しようとしても、すぐに使えるバックアップデータがなく、業務が数日間にわたり停止することになり大きな損害が出てしまった。この企業では、その後のITインフラ全体の見直しにおいて、ランサムウェアに対応できる仕組みであることが新たな要件となり、ルーブリックを採用することになったという。
また、ある大学では増え続けるデータの効率的な管理のために、ルーブリックのクラウドデータマネジメントの機能を利用し、アクセス頻度の低いデータをクラウドストレージに保存している。クラウドデータマネジメント機能は、ルーブリックのアプライアンスに標準で装備されている機能であり、追加でアプライアンスの容量を増やすことなく、効率的で安価に膨大なデータの保護を実現できた。