ServiceNowの極めて高いサービス契約更新率
ServiceNowはコロナ禍で厳しいビジネス環境にあった2020年に、売り上げを3.5ビリオンドル(約380億円)から4.5ビリオンドル(約490億円)へと31%も成長させている。さらに従業員もグローバルで2,000人増やし、13,000人に規模の組織へと拡大している。
ServiceNowの大きな成長を支えているのが、SaaSのサブスクリプション型ビジネスでは重要なKPIとなる、サービス契約更新率の高さだ。2020年第4四半期時点の契約更新率は、99%もある。2月に開催された2021年のビジネス戦略発表会で、ServiceNow Japan合同会社 執行役員社長の村瀬将思氏は「これは間違いなくクラウドベンダーでトップクラスです。ほぼ全ての顧客がServiceNowを使い続けて価値を出している大きな証拠となっています」と言う。
ServiceNowは“platform of platform”のアーキテクチャを持っているサービスだと、村瀬氏は説明する。これはもともと強みのあったITSM(IT Service Management)のSaaSを提供するだけでなく、企業内のさまざまな部署で利用されているERPやCRM、マーケティングオートメーションなどのアプリケーション、自社開発のシステムで実現する業務処理のアプリケーションなどを、ワークフロー基盤であるNow Platformでカバーする。それにより利用者がServiceNowをインターフェイスに、さまざまなアプリケーションを連携させたワークフローを組織横断的に扱えるようにすることとなる。
このplatform of platformの形は、21世紀の「ソフトウェアで構成された新しい企業像」であり、これにはワークフローが必要になりServiceNowがそれを定義することになる。ServiceNowはもともとIT部門の業務を変革するプラットフォームとしてビジネスを拡大してきたが、これからは組織をデジタル変革するプラットフォームに変わったとも主張する。