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「正しい」ツール選定と、ベンダーを本気にさせるRFPの作り方

Marketo Master/Marketo Champion 谷風公一の集中講座【連載第6回】


納得感のある持ち点配分でツール選びをスッキリ終えろ

 ベンダーの提案やトライアル利用が終われば、いよいよその結果を踏まえ、各ツールを評価する。具体的には、正しい選定を行うために用意した7つの評価項目を用いて、各ツールを採点する。採点による定量評価は、選定の納得感を醸成するし、第三者に評価結果を伝える際の明確な根拠になる。

 採点の前に、まず各評価項目の持ち点を決める。重要なのは、持ち点は必ずしも均等割りではない、ということである。100点満点でツールを評価するとして、各評価項目を何点満点にするのか、は取組みの方向性によって異なる。例えば、既存システムとの連携が多い、あるいは、複数のツールを同時に導入するケースでは「導入アプローチ」の持ち点を多くする。機能の実現性を多少犠牲にしても必ず予算内に収めなければならない場合もあるだろう。持ち点配分がうまくいかないと「ツールAとBは直感的に点数差が大きいはずだが、実際に評価してみるとあまり差がない」といった違和感が生じる。これではツールをスッキリ選べないだろう。自分たちが実現したいことや制約事項を踏まえながら、どの項目を重点的に評価したいかを議論し、持ち点の配分を決める。コツとしては、まずツールの優劣をドラスティックに把握したい評価項目に、多くの持ち点を設定する。通常は「機能の実現性」になるだろう。その上で、他の項目のどれを重視するか、を議論して決める。以下はサンプルである。

図:弊社でMAを選定した際の持ち点配分。各社横並びでそもそも評価の意味がない場合は、対象から除外してもよい(上の例では導入コストがそれにあたる)[クリックして拡大]

 持ち点配分を決めるタイミングは、RFPを作成する前が望ましい。ベンダーの提案にバイアスをかけられる前に、ツールを使うマーケ部門が主体となり「自分たちが何を大事にしたいか」を言語化し、関係者間で合意しておくことは極めて重要である。また、RFP作成前に持ち点配分を決めておけば、ベンダー選定後に「あのベンダーを勝たせるために、恣意的にこの持ち点配分にしたのでは」のような「あらぬ疑い」をかけられる心配もない。前回の機能要求の優先順位付けの時と同様、正解のない世界なので、いったん「エイヤ」で持ち点配分を決めてしまおう。大事にしたいポイントさえ外さなければ、採点の途中であっても、持ち点の細かな微調整をしても構わない。「うん、確かにツールAとBはこれくらい点数差があるよね」といった納得感が大事である。もちろん議論の経過は記録しておこう。

 持ち点配分を決めれば、いよいよ採点である。実際にツールを使い倒すマーケ部門、ユーザーをサポートする情報システム部員など、関係者全員が各評価項目に対して採点を実施し、その結果を一覧にまとめる。もし、ある担当者の採点に明らかな異常値がある場合は、丁寧にその根拠を確認するとよい。採点方法の理解が誤っているケースもあるし、他の担当者が気づかないクールな視点を持っているケースもある。最終的には、採点結果の平均値を算出し、各ツールを100点満点で評価し、最も点数の高かったツールを採用する。

 以下は弊社がMAを導入した際に作成した実際の採点表の一部である(フルバージョンはこちらから)。

図:弊社でMAを選定した際の採点結果の一部。各ツールの評点は、評価者の採点の平均値になっている。フルバージョンのPDFはこちらからダウンロード[クリックして拡大]

 以上が「正しいツールの選び方」である。不透明で納得感のないプロセスでツールを選んでも、ユーザーとベンダーの双方に不幸しか生まない。ユーザーは業務に合わないツールを無理やり使う苦行を重ね、ベンダーはユーザーにうまく活用の途を開かせられず、互いに不信感と不満を抱いたまま物別れ(解約)に終わる。正しいツールを選定するプロセスとその結果は、ユーザーだけでなく、選ばれた、あるいは選ばれなかったベンダーをもハッピーにするものなのだ。

 この後は、ベンダーとの導入プロセスが待っている。しかし、自分たちの想いを詰め込んだRFP、納得感をもって選んだツールとそのベンダーが揃っていれば、これまでツール導入経験のない方でも、ナーバスになる必要はない。自信をもって、将来業務にふさわしいツールの導入に臨んでほしい。

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導入のためには「キックオフ」も重要

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谷風 公一(ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ)(タニカゼコウイチ)

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