花王の「快適で安心な」ハイブリッドワークを支える、情シス部門の試行錯誤
小久保克也ESM部長が「ガートナー デジタル・ワークプレース サミット 2022」で語る

8月29日から30日に開催された「ガートナー デジタル・ワークプレース サミット 2022」。花王 情報システム部門 ESM(Enterprise Service Management)部 部長の小久保克也氏が、自社の「快適で安心なハイブリッドワークを目指した取り組み」について講演した。
「いつでも、どこでも、気持ちよく、安心して働ける環境」を提供
花王の事業展開は、大きく5つに分けられる。このうち「ハイジーン&リビングケア事業」「ヘルス&ビューティーケア事業」「ライフケア事業」「化粧品事業」の4つが生活者向けのコンシューマープロダクツ事業となる。たとえば、医療用洗剤、おむつ、シャンプー・リンス、入浴剤、健康を支える飲料、化粧品といったものが含まれる。残りの「ケミカル事業」は産業用のケミカル製品などを提供する。

メーカーゆえに、製品を生産する現場を担当している社員もいれば、研究所で実験を含めた研究開発を担当したり、物流を担当したりしている社員もいる。これらの領域では、在宅勤務で実行不可能な仕事が数多く存在する。
小久保氏は、同社の特徴として「スーパーマーケットやドラッグストアへ商品を届ける社員もいれば、百貨店の化粧品カウンターでカウンセリングをしながら製品を販売する社員もいます。また、私も含めたスタッフ系部門には、在宅勤務を取り入れやすいような仕事を担当している者もいます。つまり、多種多様な働き方や職種が存在する。そういったところも弊社ならでは」と話す。そのような組織で、どのようにハイブリッドワークを実現しているのだろうか。
小久保氏が所属する情報システム部門は、事業の運営、経営をシステム的な面から支えるのが役割だ。同社の情報システム部門は、3つの部で構成されている。
「私が担当するはESM部は、社員向けのシステム、つまり社員向けのアプリケーション、セキュリティ、ネットワークといったITインフラの領域を担当しています。これらに加えて『働き方サポート』も、我々の重要な役割のひとつ。いつでもどこでも気持ちよく、安心して働ける環境、つまりリモートの環境でもオフィスにいるときと同じように快適に、そしてセキュリティという観点からも安心して働けるような、そんな環境の提供を目指しています」(小久保氏)
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中村 祐介(ナカムラ ユウスケ)
株式会社エヌプラス代表取締役デジタル領域のビジネス開発とコミュニケーションプランニング、コンサルテーション、メディア開発が専門。クライアントはグローバル企業から自治体まで多岐にわたる。IoTも含むデジタルトランスフォーメーション(DX)分野、スマートシティ関連に詳しい。企業の人事研修などの開発・実施...
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