「いつでも、どこでも、気持ちよく、安心して働ける環境」を提供
花王の事業展開は、大きく5つに分けられる。このうち「ハイジーン&リビングケア事業」「ヘルス&ビューティーケア事業」「ライフケア事業」「化粧品事業」の4つが生活者向けのコンシューマープロダクツ事業となる。たとえば、医療用洗剤、おむつ、シャンプー・リンス、入浴剤、健康を支える飲料、化粧品といったものが含まれる。残りの「ケミカル事業」は産業用のケミカル製品などを提供する。
メーカーゆえに、製品を生産する現場を担当している社員もいれば、研究所で実験を含めた研究開発を担当したり、物流を担当したりしている社員もいる。これらの領域では、在宅勤務で実行不可能な仕事が数多く存在する。
小久保氏は、同社の特徴として「スーパーマーケットやドラッグストアへ商品を届ける社員もいれば、百貨店の化粧品カウンターでカウンセリングをしながら製品を販売する社員もいます。また、私も含めたスタッフ系部門には、在宅勤務を取り入れやすいような仕事を担当している者もいます。つまり、多種多様な働き方や職種が存在する。そういったところも弊社ならでは」と話す。そのような組織で、どのようにハイブリッドワークを実現しているのだろうか。
小久保氏が所属する情報システム部門は、事業の運営、経営をシステム的な面から支えるのが役割だ。同社の情報システム部門は、3つの部で構成されている。
「私が担当するはESM部は、社員向けのシステム、つまり社員向けのアプリケーション、セキュリティ、ネットワークといったITインフラの領域を担当しています。これらに加えて『働き方サポート』も、我々の重要な役割のひとつ。いつでもどこでも気持ちよく、安心して働ける環境、つまりリモートの環境でもオフィスにいるときと同じように快適に、そしてセキュリティという観点からも安心して働けるような、そんな環境の提供を目指しています」(小久保氏)