自社を超えたデータ連携の基盤へ
このような経過を経ているだけに、今回のDATA HERO OF THE YEAR受賞を「素直に嬉しいですね」と喜ぶ。
Vehicle360の道のりはまだ始まったばかりだ。グローバル企業である日産自動車には、世界でさまざまなデータが溜まっている。馬場氏は、日本国外でもクラウドを使ったデータ基盤を整備する動きが見られるとして、「グローバル規模で共通のプラットフォーム上に日産自動車のデータを寄せることで、サイロ化をなくし管理しやすい状態にするだけでなく、安全にアクセスできる環境の実現に近づきつつあります」と続ける。
世界中の日産自動車の拠点がクラウドを通してデータを集約、サイロ化を解消してより安全性を担保できるようになれば、地域をまたいだデータのやり取りが進む。さらにその先には、関連会社、サプライヤーなど自社以外の企業ともデータを活用し、連携する可能性もある。今後も同社における、さらなるデータ利活用へ向けた挑戦からは目が離せない。