SANmelodyシステム構成と特徴
1.インバンド型仮想ストレージ
仮想ボリュームを利用するアプリケーションサーバと物理リソースを提供するディスクアレイの間に設置し、すべてのI/OがSANmelodyサーバを経由する構成とる。仮想ボリュームと物理リソースを相互に紐付け管理することによって仮想化を実現する。
2.エージェントレス
アプリケーションサーバは仮想ボリュームを認識するためのエージェントやクライアントソフトのインストールを必要としない。通常のローカルドライブとして認識された仮想ボリュームに対して、自由にフォーマットを行い使用する。そのため、OSやアプリケーションとの整合性を意識する必要がなく、管理が容易になる。
3.オープンストレージ
仮想化するリソースであるストレージに対して認定を行っていない。既に述べた様に、Windows OSが認識した物理ボリュームを未フォーマットのまま仮想ボリューム化するからである。メーカーや機種、内蔵や外付け、インターフェース(FC、iSCSI、SCSI、IDEなど)を問わず仮想化ができる。またこの仕組みによって、投資済みのストレージ資産から将来投資するストレージまで、すべてのストレージをリソースとして利用することが可能になる。
4.パフォーマンス設計
ストレージシステムは、ハードウェアに依存しないパフォーマンス設計が可能となっている。そのポイントは3つある。
1つ目は大容量のキャッシュである。SANmelodyの高性能キャッシュは、配下のストレージとは別に効果を発揮する。2つ目は、ターゲットの帯域拡張である。すべてアクティブで動作するターゲットはIAサーバの構成に応じて容易に拡張することができる。3つ目は、ストレージコントローラベースのI/O分散である。複数のコントローラから提供されて複数のLUNで仮想ボリュームを構成することによって、コントローラを渡ったストライプ効果を得る事ができる。
このようにSANmelodyのストレージシステムは、統合インフラとしてマルチベンダー構成においても高い自由度と柔軟性を発揮し、幅広い選択肢を提供する仕組みとなっている。ストレージ仮想化を行う際、ハードウェアの選択肢が多いことと柔軟性が高い事は、高い効果を生み出し、運用・管理を大きく改善することができるのである。
次回は、「SANmelody」のさまざまな機能の詳細について説明していく。
この記事は参考になりましたか?
- 次なる仮想化ポイント「ストレージ仮想化」連載記事一覧
- この記事の著者
-
片山 崇(カタヤマ タカシ)
データコア・ソフトウェア株式会社 取締役 兼 セールス・マーケティングマネージャー成蹊大学法学部卒。アルゴ21において仮想ストレージ、SAN、バックアップ、災害対策、ストレージアセスメントなどのストレージソリューションの営業を幅広く経験。現在、仮想ストレージベンダーであるデータコア・ソフトウェアにて、様々な業種の...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア