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上場後も堅調なRubrik、増収の背景に「サイバーレジリエンス」需要の高まり──来日したCEOに訊く

Rubrikが提唱するサイバーレジリエンスのアプローチ

 Rubrikは、2024年4月にニューヨーク証券取引所への上場を果たし、現在も好調な業績を記録している。来日していた同社 CEOのビプル・シンハ(Bipul Sinha)氏と、日本法人 代表執行役社長の高山勇喜氏に、業況や製品アップデート、日本市場に向けた戦略などを聞いた。

サイバー脅威の進化に応える──Rubrik増収の背景

 Rubrikの2025年度第2四半期(2024年7月31日終了)における業績は好調だ。サブスクリプションARR(年間経常収益)は前年同期比40%増の9億1910万ドルに達し、総収益は35%増の2億500万ドル。そのうち10万ドル以上のサブスクリプションARRを持つ顧客数は35%増の1,969社に上った。

 好調の背景には、同社がサイバーレジリエンスにフォーカスしていることにある。シンハ氏は「多くの企業がサイバー攻撃の防止に注力していますが、すべての攻撃を防ぐことは不可能です。たとえば、CrowdStrikeが起こした障害は人為的ミスが原因でした。攻撃を受けてもミスが生じてもビジネスを継続し、サービスを維持するための『サイバーレジリエンス』戦略が求められています。まさに、サイバーセキュリティの未来と言えるものでしょう」と説く。

 Rubrikはバックアップ/リカバリのイメージが強いように、これまでストレージを単一のソフトウェアに統合し、ランサムウェア検知やデータ分類、脅威監視のための“データ脅威検索エンジン”を組み込むという独自のアプローチを取ってきた。シンハ氏は「これは、非常に差別化されたアプローチです。他のベンダーはバックアップソフトウェアやストレージ・ターゲットを個別販売しています。Rubrikの優位性は、この独自のアーキテクチャと一連の機能にあります。また、データセキュリティポスチャ管理企業のLaminarを買収することで、完全なエンドツーエンドのサイバーレジリエンスを実現しました」と強調する。

 いわゆるデータ保護という領域から、サイバーレジリエンスを実現するためのプラットフォームとして進化してきたという。その過程において、世界中で猛威を振るうランサムウェア攻撃に対しても積極的に取り組んでおり、その被害範囲が拡大する中でバックアップデータを最後の砦としたいユーザーニーズに応えてきた成果も業績に反映されていると言えるだろう。

 では、2024年後半に施行される欧州サイバーレジリエンス法など、各国地域における法規制は今後の事業に影響してくるのだろうか。シンハ氏は「企業にとっては、これまで以上にランサムウェア攻撃などからの復旧能力を示す必要性が高まっているような状況です。これにともない、サイバーレジリエンスの市場認知も向上しており、より多くの顧客支援の機会が生まれています。われわれもリスクとサイバーレジリエンスの重要性を伝え、事業拡大につなげています」と述べた。

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競合優位性は、“包括的なアプローチ”に

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...

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