非構造化データを“資産”に昇華して「インテリジェントコンテンツ管理」を実現
近年Boxは、次世代のデータ(コンテンツ)管理として「ICM(Intelligent Contents Management:インテリジェントコンテンツ管理)」を提唱している。単にクラウド上にファイルを保管して共有するといった従来のコンテンツ管理から、AIや自動化技術を活用し、従業員の生産性向上や業務効率の改善を実現するといった、より高度な管理へと進化させるアプローチだ。
既に11万5,000社以上の導入実績を持つ同社は、NIKE、Broadcom、AstraZenecaなど、Fortune500企業の67%で導入されている。日本でも1万7,000社以上、日経225企業の73%がBoxユーザーだ。レヴィ氏は「企業の競争力を左右するのは、コンテンツの効果的な活用だ。Boxは顧客企業にとって有益で活用に値するサービスを目指し、継続的に改善をしていく」と訴えた。
また、レヴィ氏は企業が抱えるコンテンツ管理の課題として、非構造化データが活用されていないことを挙げる。
「企業が所有するデジタル資産のうち、(データベースなどに格納されている)構造化データは10%で、残り90%は(画像やメールなどの)非構造化データだ。企業はこれまで構造化データだけを活用してきたが、真の価値は非構造化データにある。非構造化データは意思決定、製品開発、顧客サービスなど、ビジネスの核となる要素に深く関わっているにもかかわらず、その価値は十分に引き出されていない。こうした課題を解決するのが生成AIであり、ICMのアプローチだ」(レヴィ氏)
ICMのアプローチとは、非構造化データを含むあらゆるコンテンツを効率的に活用するための包括的なプロセスを指す。具体的には、AIを活用したメタデータの自動抽出による“非構造化データの構造化”をはじめ、フォーム作成やドキュメント生成の自動化、ワークフローの最適化、そして一貫したポリシー(ガバナンス)によるセキュリティ管理だ。データの取り込みから情報の追加、閲覧、承認、保管までのコンテンツ・ライフサイクル全体を効率化し、データドリブンな意思決定や業務プロセスの自動化を実現する、これがBoxの目指す「ICMの未来像」である。