美辞麗句を並べる鳩山と突っ込み不足の谷垣
通常国会が始まった。会期は6月16日までの150日間だ。首相の鳩山由紀夫の偽装政治献金疑惑、民主党幹事長の小沢一郎による「陸山会」土地購入事件、さらには沖縄県のアメリカ軍普天間基地移設問題や永住外国人への地方選挙権付与法案とネタにはこと欠かない。
だが、質疑を見ていると、どうも問う方も答える方も、四角四面の堅苦しいやり取りばかりが目立つ。1月21日の鳩山と自民党総裁の谷垣禎一による衆院予算委員会での初対決も味も素っ気もなかった。谷垣の追及も迫力に欠け、鳩山も通り一辺倒の答弁に終始。国民が思わず身を乗り出して、テレビ画面に釘付けになるような質疑を展開してもらいたいものである。
それにしても、相変わらずの下品な野次の応酬は、いい加減してもらいたい。中には女性に対してセクハラ紛いの野次を飛ばす男性もいる。国会は、憲法第41条で「国権の最高機関」と明記されているように極めて権威のある存在だ。聞くに堪えない野次は国会の威厳を汚す。
国会での発言は、本会議や委員会の進行役たる議長、委員長の許可を得た者の発言だけが正規の発言とされ、それ以外は怒鳴っても叫んでも「不規則発言」という扱いを受けるのみで、議事録には「発言する者あり」や「発言する者多し」とだけ記される。
一応、国会法第119条に「各議院において、無礼の言を用い、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない」とあり、あまりに汚い野次は基本的に禁止されているものの、記録に残らないため言いたい放題である。