2025年3月17日、アンチパターンは「SaaSus Platform」の新バージョン提供に関する記者会見を開催した。
SaaSus Platformは、SaaSで共通して求められる機能をプラットフォーム化した、いわば“SaaSのためのSaaS”といえるサービス。今回、BtoB SaaSのAPI公開を支援する「Smart API Gateway」機能を新たに追加したという。
同社 代表取締役の小笹佑京氏は、この機能を提供する背景としてAPI公開における課題が山積みである現状を指摘。セキュリティや安定性などの課題のほか、日本独自の課題として「システムの老朽化とレガシー化」を挙げた。日本はオンプレミスのパッケージソフトなどが多く、APIを公開する以前にSaaS化(クラウド化)する必要があるとのことだ。

これらの課題に対し、生成AIを活用することで解決を図ると同氏。同機能は、APIを開発、公開するまでに必要な以下の要素を網羅したものだという。
- APIキーの発行、管理
- 認証機能
- 認可機能
- スロットリング
- API定義の自動生成
具体的には、APIにしたい箇所にアノテーションを記載したソースコードを、SaaSus Platform上にアップロードすることで、関数がAPIになり提供まで行えるという機能とのことだ。

また、導入効果として小笹氏は「API実装における、従来比99.8%の業務効率化が可能」と説明。本来、APIを実装するにはAPIキー管理やIP制御、認証機能や認可機能などが必要となる。Java言語のフレームワークであるSpring bootを使用した際、これらの作業には約990時間を要するのだという。それらの作業を同機能を使い60分で実現でき、従来比99.8%の作業削減が可能だとした。
提供開始リードも短縮できるほか、開発を外注した場合、1人につき100万円/月のコストがかかると仮定すると、開発時点で617.5万円のコスト削減が可能だとしている。
【関連記事】
・アンチパターン、SaaS運用管理プラットフォームに行動履歴ログ機能・シングルテナント管理機能を追加
・Kong、日本市場での事業展開に手応え CTO来日でAPIマネジメントの必要性訴える
・84%が「AIとLLMでAPIのセキュリティ確保が困難になる」と懸念──Kong調査