良妻に恵まれた鳩山家
一時の人気に陰りの見える鳩山由紀夫だが、その一方で相変わらず注目されているのがファーストレディの幸夫人だ。
元タカラジェンヌで、退団後は結婚してアメリカに渡り、サンフランシスコの日本料理店で働いていた時にスタンフォード大留学中の鳩山と知り合い、その後、前夫と離婚。そして、鳩山と再婚した。
そのハキハキとした語り口調、スピリチュアルな珍言、迷言から、近頃ではバラエティー番組にも出演。さらに「ライフ・コンポーザー」の肩書きで、料理や子育てに関する書籍も出版している。鳩山独特の奇妙な服装も、幸夫人のファッションセンスによるものだ。
一方、政治家の妻として、「内助の功」も発揮。昨年の衆院選でも民主党代表として全国各地を行脚する夫に代わって、苫小牧市を中心とする北海道9区を駆けずり回って支持を訴えた。演説も、なかなかのものだそうだ。
鳩山家は昔から良妻に恵まれている。和夫(衆院議長)の妻の春子、一郎(首相)の妻の薫子、威一郎(外務大臣)の妻の安子。彼女たちは、しっかり亭主を守り、華麗なる一族を支えた。
春子は、驚異の頭脳の持ち主で、自身も母校でもある東京女子師範学校で教鞭を執り、共立女子大学を創立。明治時代を代表する教育者の1人だ。政治家の妻としても完璧で、亭主を大臣にするために「猟官運動」にも励んだという。薫子は控え目だが気の利く女性だったという。
毎日のように薫子にラブレターを書き送るという一郎の猛アタックで2人は結婚。共立女子大学の学長も務めた。安子はブリヂストンの石橋家から嫁いだ。亭主には何人も愛人がいたが何のその。愛人の存在を認め、もっといい家に住まわせなさいと亭主を叱ったほどの烈女だ。息子のためにと、由紀夫と邦夫に毎月1,500万円もの小遣いを渡し、1996年9月に兄弟が揃って旧民主党を結成した時も、その費用を用意した。