多くのBI企業が大手のERPに買収されるなど、垂直統合が進んだBI市場の中で、マイクロストラテジーは唯一の独立系ともいえる。オペレーショナルBIという考え方も含め、BIの力を現場のマネジメントに活用することを提唱している、マイクロストラテジーのプレジデント、印藤公洋氏に話を聞いた。
iPhone/iPad版BIツールを投入
-- 現在の製品戦略についてお聞かせください。
MicroStrategy 9 BIプラットフォームで戦略上非常に力を入れているのは、(1)モバイル対応、(2)レスポンスの向上、(3)インフォメーションゲートウェイの3分野です。
モバイル対応に関しては、BlackBerry向けに既に世界中の約600社に採用されていますが、iPhone版、iPad版は近々リリースする予定です。Kindle版の英語版は既に出荷開始されており、Android版も予定しています。

もうひとつの重要なテーマは、BIのレスポンスタイム、パフォーマンスを飛躍的かつ継続的に向上させることです。今年の春に出荷を開始したMicroStrategy 9 リリース2では、既に前バージョンよりもレスポンスタイムを格段に高速化しました。64ビットメモリの有効活用、DBへの複合検索(マルチパス)を含め、DBへのアクセス時間をより短く最適化すると同時に、ダッシュボードでのレンダリングの高速化など、広範囲に改善されています。パフォーマンス改善は、将来にわたって継続的に投資され、最終的には2秒程でダッシュボードに表示することを目指しています。
3つ目は、BIをインフォメーションゲートウェイと考え、異なる様々なデータベースに散在するデータをレポートやダッシュボードにシームレスにまとめていく。この3つが製品戦略の今後の方向です。
-- レスポンスタイムがなぜそこまで重要なのですか?
BIツールは、企業の中で何らかの意志決定を行うすべての人に広がってゆきます。これまでは戦略策定部門の人、経理・財務の上層部や予算編成担当者、あるいは販売分析担当者など「机にいる人」が中心でした。
今後はそれに加え、現場で活動しているマネジメント層を含めた現場にもBIが非常に重要になってくる。日々のオペレーションに役立つ意思決定を支援するという点で、「オペレーショナルBI」ともいえる。こういったBIの利用の広がりに、モバイル対応及び高速なレスポンスが重要になってくる。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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