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財務・会計Online Press

ソニー 経理部長が明かす、継続的に価値を生み出せる経理組織の条件──「集約型」組織で進める人材育成術

経理は「正確性+α」が求められる時代に ソニーが実践する、若手が辞めないための育成方法

 会計・税務の複雑化、生成AIの台頭、ESG開示の義務化、人材不足。経理を取り巻く環境には、これらが同時多発で押し寄せ、現場は静かに疲弊していく。Sansanが2026年5月22日に開催したイベント「経理・財務の日」に登壇したソニーグループ グローバル経理センターの林尚史氏は、ソニー経理が積み重ねてきた組織設計・人材育成・改善活動をもとに、変化のなかでも価値を出しつづける経理組織の条件を語った。

「正確性+α」が経理を追い詰める 同時多発する環境変化

 林尚史氏は税理士を志した後、事業会社で経理のキャリアをスタート。2003年にソニー(現ソニーグループ)へ転職し、管理会計や海外赴任、監査委員会補佐などを経て、2021年夏からグローバル経理センター トランスフォーメーションデザイン部の統括部長としてDX推進と人材育成の責任者を務めている。2025年12月には共著『ソニーの経理パーソンになる』(中央経済社)を出版した。

 同氏が講演の出発点に置いたのが、経理を取り巻く環境変化だ。会計、税務、開示の高度化、DX、生成AI、非財務情報の開示・管理、担い手の確保が難しくなる人材不足。林氏は、これら一つひとつの話題に新規性はないと前置きしたうえで、問題はこれらの話題の“同時多発”にあると指摘する。昨今は、決算を締めて開示する従来の経理像に、DXやESGといった役割が次々と上乗せされてきた。

 なかでも林氏が強調したのが、経理に求められる能力の変化だ。従来の「ミスなく確実に仕事をこなす」能力に加え、スピード、変化への柔軟性、数字の背景を語る説明力なども求められるようになり、「正確性+α」が必要な時代に入ったという。

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 経理は今までも電子帳簿保存法(電帳法)、インボイス制度、リース会計と度重なる法規制の変更に巻き込まれてきたことから、変化への対応には一定の耐性があるかもしれない。しかし、“正確性”が染みついた経理にとって、正解が定められていないDX推進は難問だ。「経理部門においてアジャイルにDXを推進することは非常に難しかった」と、自部門でDXを推進する立場ならではの難しさを語った。

 また、同時多発的に変化する環境において、現状の体制のまま努力を続けさせれば、いずれ限界が来る。その理由について、林氏は「人の問題ではなく、“構造”の問題だ」と説明。たとえば、一気に押し寄せる新たな業務を現状のメンバーのみで対応するとなった場合、組織の構造そのものを変革していかなければ、どこかで歪みが生じてしまう。緊急性の高い足元の業務に目が向き、重要だが緊急でない抜本的改善に手が回らない。その結果、負荷の高さを理由に若手が定着せず辞めてしまう。この悪循環をどう乗り越えるかが問われている。

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分散から集約へ 「決算を締めるだけの組織」ではない、ソニー経理の全体像

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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