高度なクローラ技術で独自のサービスを展開
「Googleのクローラは、インターネットを図書館にたとえると、本がどこにあるのか探す端末のようなもの。インターネット上のさまざまなコンテンツ=本で、ブラウザ=本を探すための端末といったイメージです。これに対し、我々が使っているクローラは、秘書や助手にこういうことを調べて欲しいと頼むと、インターネットから情報を収集し、レポートしてくれるというイメージです」
マイニングブラウニー 代表取締役社長の得上竜一氏は、同社のクローラ技術は、たんに検索を効率化するためのものではなく、より高度なインターネット上の情報活用を可能にするものだと言う。
同社のクローラ技術のもとになっているのは、かつて得上氏が構築した家電量販店の価格調査を行うシステムだ。インターネットから、それぞれの店舗で取り扱っている製品の価格を収集し、調べ、製品の仕入れ値をはじき出したり、いま販売すべき最適な価格を計算したりするシステムで、店舗間の価格競争に勝利するためのマーケティングツールだった。
当時の仕組みは、競争に勝つためのツールとしては効果的だった。しかし、得上氏は「あのツールにはまだまだ課題があった」と振り返る。効果的である半面、ライバルを徹底的に追い詰めるケースがあったからだ。
「これでは市場のバランスを崩してしまう」―そう考えた得上氏は、企業のサービスの強みを発揮し、健全にビジネスを拡大するためのクローラ技術を作ろうと決意。こうして生まれたのが、マイニングブラウニーのサービスだ。
現在、同社のサービスは、製品の適正な買い取り価格を調査したり、ECサイトでの適正な販売価格を予測したりするマーケティングツールとして、すでに多くの実績があるという。
「最近では求人サイトの情報を分析し、企業が求人にどれくらい投資しているかを把握するといった、新たな使い方も出てきています」(得上氏)
サービスの適用範囲は広がりを見せており、さまざまな営業、マーケティング活動をサポートするツールとして評価されているとのことだ。