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あたらしいSQL Server/Denaliの世界

New T-SQL in Denali (前編)

#009


おひさしぶりです!日本マイクロソフト Premier Field Engineering 部の古賀です。平山に続き、今回から2回に分けて、T-SQLの新機能や改善点について紹介していきます。

1. OFFSET/FETCH NEXT句

 Denaliでは、新たにOrder By句の引数にOFFSET/FETCH NEXT句が追加されます。このOFFSET/FETCH NEXT句は、ページングの機能を実装する場合にとても便利です。ここでいうページングとは、Webサイトなどで検索結果を複数のページにまたがって表示させるような機能です。例えば、検索結果を10件ごとに表示するWebページがあって、検索結果の総件数が100件だった場合、「1.2.3…10 次へ」といったようなリンクが表示されますよね。このことです。

 では、具体的にどのように使用するのかを見ていきましょう。OFFSET/FETCH NEXT句は、ORDER BY句の後に指定します。シンタックスは以下のようになっています。

OFFSET { integer_constant | offset_row_count_expression } { ROW | ROWS }
FETCH { FIRST | NEXT } { integer_constant | fetch_row_count_expression } { ROW | ROWS } ONLY

 OFFSETキーワードの引数には、検索結果の何件目からデータを抽出するかを指定します。そして、FETCH NEXTキーワードの引数には何件のデータを取得するかを指定します。これだけです。

 使用例は以下の通りです。

/*
    テスト用テーブル
*/
CREATE TABLE t1 (c1 INT)

/*
    100件のデータを作成
*/
DECLARE @i INT
SELECT @i = 0
WHILE(@i < 100)
BEGIN
    INSERT INTO t1 VALUES(@i)
    SELECT @i+=1
END

/*
    以下は、検索結果の50件目から10件データを抽出するサンプル
*/
DECLARE @rows_per_page INT
DECLARE @offset INT
DECLARE @page_num INT

SELECT @rows_per_page = 10
SELECT @page_num = 5
SELECT @offset = @rows_per_page * @page_num

SELECT * 
FROM t1 
ORDER BY c1 
offset @offset ROWS 
FETCH NEXT @rows_per_page ROWS ONLY

 簡単ですよね。OFFSET/FETCH NEXT句の引数には、数値を返すクエリも書けるので、実際にアプリケーションを構築する場合は、FETCH NEXT句で指定するページの件数を他のテーブルから引っ張ってくるようにして、動的にページサイズを変更できるようにしておくといった工夫も可能です。OFFSET/FETCH NEXT句の詳細についてはこちらを参照ください。

 MySQLを利用されている方はLimit句を使用して、既に似たような処理を実装しているかもしれません。Denaliでは、このようにMySQLのLimit句と同様の機能が追加されるので、MySQLからSQL Serverへのマイグレーションする場合は、随分と楽になりますね!

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この記事の著者

古賀 啓一郎(コガ ケイイチロウ)

日本マイクロソフト株式会社勤務。きままなエンジニア。
謎があると解決せずにはいられない性格。
週末は家事に従事。 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/article/detail/3555 2012/02/10 18:11

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