1. OFFSET/FETCH NEXT句
Denaliでは、新たにOrder By句の引数にOFFSET/FETCH NEXT句が追加されます。このOFFSET/FETCH NEXT句は、ページングの機能を実装する場合にとても便利です。ここでいうページングとは、Webサイトなどで検索結果を複数のページにまたがって表示させるような機能です。例えば、検索結果を10件ごとに表示するWebページがあって、検索結果の総件数が100件だった場合、「1.2.3…10 次へ」といったようなリンクが表示されますよね。このことです。
では、具体的にどのように使用するのかを見ていきましょう。OFFSET/FETCH NEXT句は、ORDER BY句の後に指定します。シンタックスは以下のようになっています。
OFFSET { integer_constant | offset_row_count_expression } { ROW | ROWS } FETCH { FIRST | NEXT } { integer_constant | fetch_row_count_expression } { ROW | ROWS } ONLY
OFFSETキーワードの引数には、検索結果の何件目からデータを抽出するかを指定します。そして、FETCH NEXTキーワードの引数には何件のデータを取得するかを指定します。これだけです。
使用例は以下の通りです。
/* テスト用テーブル */ CREATE TABLE t1 (c1 INT) /* 100件のデータを作成 */ DECLARE @i INT SELECT @i = 0 WHILE(@i < 100) BEGIN INSERT INTO t1 VALUES(@i) SELECT @i+=1 END /* 以下は、検索結果の50件目から10件データを抽出するサンプル */ DECLARE @rows_per_page INT DECLARE @offset INT DECLARE @page_num INT SELECT @rows_per_page = 10 SELECT @page_num = 5 SELECT @offset = @rows_per_page * @page_num SELECT * FROM t1 ORDER BY c1 offset @offset ROWS FETCH NEXT @rows_per_page ROWS ONLY
簡単ですよね。OFFSET/FETCH NEXT句の引数には、数値を返すクエリも書けるので、実際にアプリケーションを構築する場合は、FETCH NEXT句で指定するページの件数を他のテーブルから引っ張ってくるようにして、動的にページサイズを変更できるようにしておくといった工夫も可能です。OFFSET/FETCH NEXT句の詳細についてはこちらを参照ください。
MySQLを利用されている方はLimit句を使用して、既に似たような処理を実装しているかもしれません。Denaliでは、このようにMySQLのLimit句と同様の機能が追加されるので、MySQLからSQL Serverへのマイグレーションする場合は、随分と楽になりますね!