日本ヒューレット・パッカードは12月13日、データベースの処理性能を"瞬速"化させるハードウェアプラットフォームとして、半導体メモリアレイ「HP VMAシリーズ」を発表、同日出荷を開始した。日本HP エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 サーバーマーケティング統括本部 統括本部長 上原宏氏は「データベースの最適化という言葉がキーワードになりつつあるが、ノウハウを駆使して最適化するにも限界がある。そのため最近の流れのひとつに密結合されたデータベース専用アプライアンス製品が取り沙汰されることが多いが、完全にベンダーロックインされてしまう懸念もある。HP VMAシリーズはシステムのオープン性を確保しながら、劇的な応答速度のバッチ処理を実現する緩やかな疎結合のソリューション。ビジネスのアジリティを大幅に改善する」と語る。
外付けストレージの代わりに高速半導体メモリアレイを!
HP VMAシリーズは3Uの筐体に128GBのNANDメモリを最大84枚/10GBまで搭載可能な半導体メモリアレイ。1筐体/5TBからスタート可能な高い拡張性が特徴。4+1 RAIDおよびホットスペアに対応(84枚中4枚をホットスペアにできる)し、安全性も十分に考慮されている。NANDは寿命が短いと言われがちだが、「1時間に8TBの書き込みを行っても5年はもつ」(日本HP)としている。
HP VMAシリーズは外付けストレージの代わりにサーバ製品と組み合わせて使うことが前提とされており、「HP ProLiant DL980 G7」とのPCIeによる直接接続や、同時に発売されたVMAシリーズのSANゲートウェイを介したDL980 G7および「HP Integrity」とのファイバチャネル接続などに対応している。 DL980 G7には8筐体まで接続が可能であるため、最大で80TBまでメモリ領域を拡張できる。複数サーバ構成を取ることでペタバイトクラスの容量拡張も実現可能だ。Windows/Linux上で動くものであればサーバ上に搭載されるデータベースの種類はいっさい問われない。またSANゲートウェイのほうはHP VMAシリーズを最大2台まで接続可能になっている。
日本HP エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 サーバマーケティング統括本部 製品戦略室 室長 山中伸吾氏は、HP VMAをDL980 G7およびHP Integrityに接続することで劇的な応答速度の向上が得られることが最大の特徴だとする。
「標準的な15KrpmsのSAS HDDの応答時間は5,000マイクロ秒、SSDの場合は3,000マイクロ秒ほど。これがHP VMAをDL980 G7にPCIe直接接続すると100マイクロ秒、SANゲートウェイ経由のHP Integrityでも200マイクロ秒と大幅な性能向上が実現する。SANゲートウェイを介した場合はPCIeの直接接続に比べて若干、応答速度が遅くなるが、複数のUNIXサーバに対応できるため、サーバの自由度はより高まる」(山中氏)