「リーンスタートアップ」、「顧客開発モデル」などの起業家手法が、話題となっています。そして、ベンチャー企業だけではなく、大手企業の新規事業開発の場面でも、これらの起業家手法が使われ始めています。 翔泳社発行「ビズジェネ」では、WEBサイトの公開を記念して、新規事業開発、ビジネススタートアップのバイブル『アントレプレナーの教科書』(スティーブ・ブランク著・堤孝志、他訳)のダイジェスト版(PDFデータ)を、アンケートにお答え頂いた方に漏れ無く、プレゼント致します。
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【基調講演】「顧客開発モデルの概要」堤孝志氏
「成功するビジネス・スタートアップのための『顧客開発モデル』~グローバルでも実証された科学的アプローチ~」と題して、『アントレプレナーの教科書』を翻訳した堤孝志氏と、『スタートアップ・マニュアル』を堤氏と共同翻訳した飯野将人氏の両氏から基調講演が行われた。
堤氏は、「顧客開発モデルの概要」と題して講演を行った。
まず、90年代中ごろに、当時技術開発が盛んだったATM-LAN技術による事業を立ち上げたものの、ほとんど売れなかったという自らの体験を紹介した。この体験から「いいものを作っても売れるとは限らない。顧客の声を聞いてニーズを確認しないとならない。」と考えるようになったとのこと。その中で「顧客の声を聞くといっても何を聞けばいいのか?何を測れば顧客のニーズを掴めるのか?」という問題意識を持ちながら業務に取り組んできたが、その解決方法が『アントレプレナーの教科書』に書かれていることに感銘を受けた、というのが翻訳の動機ということである。
この顧客開発モデルは、「作って売ってはじめて、買い手がいないことに気づき、先行投資が無駄になる」という、新規事業立ち上げのアンチパターンを避けるプロセスであるとしている。従来型の新規事業立ち上げによくあるパターンは、技術先行で製品開発活動に投資し、製品が出来上がるとマーケティング活動に投資し、その時点で売れないことがわかって、まもなく資金が尽きるというわけである。
こうした失敗を避けるためには、製品を作る前になんらかのテスト版を仮に売ってみて、脈があれば少しずつニーズを確認しながら製品化を進める、ということになる。これを踏まえた顧客開発モデルの哲学として、
1:新規事業はうまくいくかどうか実際は分からない。失敗はつきもの
2:どうせ失敗するなら、早く・小さく失敗し、修正をかけることの方がむしろ重要
3:間違った事業計画のまま、いつまでも続けてはならないこと
を説明した。
続いて、ここであらためて「顧客開発プロセスは、4つのステップで、顧客を相手に仮説検証を繰り返し、再現可能でスケーラブルなビジネスモデルを探索する」ものであることを確認した。