企業が保持するデータ量は、過去に比べ莫大に増えてきている。バックアップの観点に目を向けると、多くのユーザーが共通して抱えている問題がある。取り扱うデータが増えれば、当然バックアップ時間が延び、サービスに影響を及ぼす。また、バックアップデバイスの搭載容量、バックアップに付随するハードウェアの設置スペース、電気使用量といったコストも膨れ上がる点もユーザーの頭を悩ませる点の一つだろう。東日本大震災以降、バックアップデータの重要性は今まで以上に高まっており、とりわけ基幹システムに直結するOracleデータベースに関しては、ディザスタリカバリの実現性を今まで以上に検討されるユーザーが増えている。ビッグデータ時代が到来した現代において、これらの悩みを解消し、データ量が増え続けるOracleデータベースを効率的にバックアップするにはどうしたらいいのか。EMCジャパンBRS事業本部 システムズ・エンジニアリング部 システムズ・エンジニアの八木下 洋平氏に話を訊いた。
ORACLEデータベースのバックアップ方法

システムズ・エンジニアリング部
システムズ・エンジニア
八木下 洋平氏
データベースのバックアップ手法は大きくは2通りある。1つ目はバックアップソフトを使用する方法だ。
バックアップソフトを使用するメリットについて、八木下氏は「複数サーバのバックアップを一元管理できる点の他に、ストレージのスナップショットとの連携やバックアップデバイスの管理もバックアップソフトを介して一元管理できる点にある」と語る。
ただし、この手法を採用するには、サーバ、ストレージ、ネットワーク、デバイス管理といった広いインフラの知識が必要となり、業務に近い立場であるOracle管理者が長けている領域ではない。また、当然ながらバックアップソフト、バックアップ用のサーバ、バックアップストレージやテープ装置をデータ量に合わせ潤沢なリソースが搭載されたハードウェアを準備、投資する必要がある。
一方、もう1つの手法としては、Oracle管理者が容易に使用することが可能なRMANを使ってのバックアップである。
「RMANはOracleの標準機能であるため追加ラインセスは不要。バックアップソフトを使ったバックアップに比べ、コストを抑えることが可能です。また、インフラの知識に長けたバックアップ管理者よりもOracle管理者の方が精通しているケースが多いんです」(八木下氏)
ただし、RMANを使用して増加し続ける大容量のデータベースをバックアップする場合、想定外の追加コストが生じるのではないだろうか。
八木下氏は想定される追加コストとして、下記の4つを挙げる。
- バックアップターゲットの総容量×世代数分のバックアップストレージを用意する必要があること
- バックアップを高速化するために10GやInfinibandといったインターフェースをサーバとバックアップストレージ間に敷設する必要があること
- 大容量のバックアップストレージやテープメディアの管理が必要になること
- 災害対策でリモートサイトにレプリケーションしたくても転送量が多くWANの帯域では現実的に転送することができないこと
ORACLEデータベースの効率的なバックアップとは?
これら全ての問題を解決するのが、重複排除技術を搭載するバックアップ専用ストレージとして、市場で大きな実績を誇るEMC Data Domainだ。
従来のバックアップストレージであれば、バックアップ容量に世代数を積算した容量を用意する必要がある。本来であれば業務要件に合わせて決まる世代数が、ストレージの容量に合わせて世代数を決めるケースも多かったのではないか。Data Domainに書き込まれるデータは、重複するデータを取り除くことで格納されるサイズを何十分の一もに圧縮できるので、業務や事業継続に合わせて、本来必要とされる世代数を確保することが可能だ。しかも、他社のように一度ディスクにデータを格納しバックグラウンドで重複排除するのではなく、Data Domainはディスクに書き込む前にメモリ上でリアルタイムに重複排除するので、ディスクの効率化、バックアップスループットを追求したストレージである点も大きな特徴の一つといえるだろう。
「また、Data Domainはデータの信頼性に優れたバックアップストレージでもあります。NVRAMやRAID6といったハードウェアレベルでの信頼性の他に、ディスクに書き込むと同時に、ファイルシステムレベルでデータを読み込むという独自の機能を搭載しているのです。ディスクに格納したあとは、定期的にデータの整合性をチェックし、不整合が起きている場合には管理者にアラートをあげ、リストア時にエラーが判明するのではなく、未然に対処することができます」(八木下氏)
このようにデータの信頼性という点に関しても、何重にも確実にリストアするための機能が実装されていることが市場で評価されている点の一つでもある。
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