「Do Not Track」(オンライン行動の追跡拒否)をはじめ、米国のプライバシー保護に関する規制は、民間事業者による自主規制を基調としている。これは米国が、事業者の創意工夫を尊重し、パーソナルデータ活用によるイノベーションを阻害しないよう配慮していることが背景にある。一方、プライバシー侵害を起こした事業者に対する制裁は、日本よりもはるかに厳しい措置が執られることがあり、自主規制とはいいながら、その実効性担保の仕掛けが米国では機能している。今回は、米国のプライバシー保護の執行の仕組みを解説するとともに、今後の自主規制の行方について考えていく。
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小林 慎太郎(コバヤシ シンタロウ)
株式会社野村総合研究所 ICT・メディア産業コンサルティング部 兼 未来創発センター 上級コンサルタント専門はICT公共政策・経営。官公庁や情報・通信業界における調査・コンサル ティングに従事。情報流通が活発でありながら、みんなが安心して暮らせる社会にするための仕組みを探求している。著書に『パーソナルデータの教科書~個人情報保護からプライバシー保護へとルールが変わる~』(日経BP)がある。
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