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Azureに、のせてみた。

クラウドが万能なはずはない!Azureの弱点を暴け(後編)

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技術的に可能なことと現実の作業としてやりたくないこと

(小澤)
「そもそもAzureはレガシーを
そのまま移行するのには向いていない」(小澤)

 谷川:たとえばオンプレミスで普通にSQL Serverとアプリサーバーを運用していたとします。Azureに載せたいですとなると、それがHyper-Vで動いていれば明日からでも可能ですか?お財布の問題とかは除いて。

 北川:はい可能です。笹木さんは「できます」と言いにくいと思いますが。

 笹木:今、僕も小澤さんも、実際の作業手順を思い浮かべて、とても暗い顔をしています…。

 谷川:実際の作業でひっかかりそうなところってどのあたりなんですか?

 笹木:特にひっかかるところはないですけど、「明日から」って言われるとですね…

 小澤:どれくらいかかるのかなとか。

 谷川:現実的に想像しちゃうんですね(笑)

 小澤:できるかできないかと言われたら、たぶんできます。

 北川:小澤さんと笹木さんの頭の中には今、「VPNを張るための接続確認がなされたルーターが手元にない。サーバーのOSは何だろう。2003だったらいやだな」とかいった思念が一斉に渦巻いているんですよ。

 笹木:いやいやいやいやいや(笑)。

 谷川:ぜひそういう話をしてもらいたいです。現実的には2003はないかもしれないけど、どんな構成だったらいいというのはありますよね?

 小澤:オンプレからAzureに移行するなら、元のサーバーのOSは最低でも2008 R2以降です。それより前だと動きません。そもそもAzureはレガシーをそのまま移行するのには向いていないんです。

 谷川:その場合はオンプレでしっかりと最新版に上げてから?

 小澤:はい、そこで検証した上で持って行くのが標準的な手順でしょうね。Azureに上げてから作り直してもいいとは思いますが。どっちがいいですかね。

 北川:2008 R2まで強行にアップデートしてもいいと思います。SQL Server 2005で動いているものを(互換性が許容する範囲で)バックアップ&リストアで移行は可能かと思います。ただし移行後のテストなどのリスクもあります。

 小澤:オンプレミス側はHyper-Vにしておけば安全ではないでしょうか。

 谷川:AzureへはP2VとSQL Serverのリストアがあるんですね。

 小澤:基本的にはSQL ServerをIaaSに持って行くときはバックアップしてリストアするのが多いと思います。

 谷川:物理サーバーでいろいろと設定したものはIaaSでも問題なく使えるのかな?

 小澤:基本はそのまま使えるはずです。

 谷川:物理サーバーはAzureのハードウェア構成と違いますよね。そこで不具合は起こりうるのか、逆に困らなくてすぐAzureに最適化されるんですか?

 笹木:後者かと。

 小澤:ファイルグループやファイルが大量にあるとかでなければ難しくないかなと。

 北川:ハードウェアに依存するパラメーターもあまりないですから。

 小澤:SQL ServerのデータベースをAzureに移行すること自体はさほど難しくはないと思いますが、問題はアプリケーションのほうだと思います。OSのバージョンが変わった場合はアプリケーションの稼働確認に手間がかかることがありますので。

 笹木:後は運用管理です。たとえばJP1とか使っている場合ですね。ジョブスケジューラーとか監視ツールとかをどうするかの考慮は手間がかかるかもしれません。

 谷川:Azureに行くから、System Centerでそのあたりは全部やるのかと思っていました。

 小澤:現実的にはJP1も多いですね。

 谷川:そうなるとどうなるんですか?JP1はAzureに持って行かないですよね?

 小澤:持って行きますよ。

 谷川:持って行くものなのか。

 小澤:IaaSを1つのデータセンターとして、今までの運用も持って行ける仕組みにしておくのがいいと思います。

 谷川:Azure上のJP1はAzureの管理しかできないですよね?

 笹木:ネットワークを張ればオンプレミスも見られなくはないです。

 谷川:そのあたりは、MS純正ならもう少し柔軟になる?

 北川:オンプレミスとクラウドの両方を監視できます。ただしVPNは必須です。

 谷川:実際IaaSとオンプレミスの両方にSQL Serverを入れた際に、システムセンターで両方監視するというのは?そんなの、やりたくないか(笑)。

 小澤:エンドユーザーとしては、どちらかと言えばやりたくないです(笑)。理由はネットワークの制限です。Azureの仮想ネットワークでは複数のデータセンターVPNを張ることができません。複数のデータセンターがあるなら、中心となるオンプレミスのデータセンターを定めそこをハブとしてVPNを張って監視することになるのでは。

 谷川:オンプレミスに軸足を置けばAzureも監視できるということ?

 小澤:厳しいと思いますが。VPNがたくさん張れるならいいですが、無理に統合監視をせずにオンプレミスはオンプレミス、IaaSはIaaSで監視するのでもいいのかな。

 北川:たとえば先ほど登場したビットアイルさんをハブとして使うといいと思います。ここにSystem CenterとかJP1を置いてもらえると両方を監視できます。

 谷川:なるほど。これからのデータセンター事業者の存在意義がよく分からなかったけれど、今の説明でよく分かりました。

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/article/detail/5745 2014/04/15 07:00

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