基準では会計処理のために「信頼性をもった見積もり」を要求しているが、実務レベルの工数やコストの見積もり自体の妥当性については触れていない。今日までソフトウェア開発では単一プロジェクトごとの採算性向上を目的に、見積もり精度の向上やプロジェクト管理の改善などの努力が続けられており、それぞれ非常に高いレベルが実現できているのではないだろうか。 今回の会計基準がある種の衝撃的変化として扱われる理由は、自社が行っている管理やプロセスなどの各種業務が法的に認められなければならないという「過度な不安」にあると考えられる。しかし、本稿で繰り返し申し上げているとおり、要するに開発業務について会計上の合理性さえ認められれば良いのである。法的に実施の期限が設定されてはいるが、継続した業務改善の一環として捉えることで少し気を楽にしていただきたい。
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熱海 英樹(アツミ ヒデキ)
2003年2月マイクロソフト入社。Visual Studio、BizTalk Server の製品マーケティング担当を経て、現在は Visual Studio Team System の営業担当として主に技術面での訴求を行っている。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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