Software-Definedの製品にもシフト
EMCが実現するSDSがもたらすものは3つある。vVNXやvRPAなどソフトウェアで既存製品の機能を提供することにより、柔軟な選択肢が提供されるようになる。またScaleIOにより、変化の激しい要求に迅速かつ容易に対応できるようになる。さらにViPRにより、クラウド基盤を迅速に導入したり運用管理が簡素化される。今後ViPRはオープンソース版「CoprHD」としてオープンソースでも提供され、よりエコシステムが広がることが期待できる。
さらにSDSに俊敏性が加わったものに「コンバージドインフラストラクチャ」がある。これまでもEMCではVSPEX BLUEなどが提供されていたが、EMC Worldでは新しくラック単位でスケールするVxRACKが発表された。
初期リリースではVxRACK 1032モデル(1000シリーズ)が提供され、最小は1/4ラックから、最大1000ノードまで拡張可能。ストレージ部分はScaleIOをベースとし、コンピュート部分はvSphere、KVM、ベアメタルなどが選択可能だ。
来年を予定している次期リリースではVMwareのEVO:RACK技術をベースとしたものでストレージ部分はVSAN、コンピュート部分はvSphereに対応したものも発表される見込み。
EMC Worldではコンバージドインフラを実現する新しい構想となる「Project Caspian」も発表された。昨年EMCが買収したCloudscaling社の「Open Cloud System(OCS)」をベースとしている。オープンソースで提供され、コモディティサーバーで実現するコンバージドインフラとなる。OpenStackとEMC製品の橋渡しとなることや、第3のプラットフォームへの移行を目指すためのソフトウェアスタックになると見込まれている。
まとめとして市川氏は「EMCはSoftware-Definedの製品にもシフトしてきています。メリットは第2と第3のプラットフォームの共存や第2から第3のプラットフォームへの移行を強力に支援できることです」と締めくくった。