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速いだけじゃ選べない!オールフラッシュ導入の勘所―兼松エレクトロニクスが決めた理由!

 近年、仮想化環境の普及やビックデータの有効活用(Analytics)などによりストレージIOがボトルネックとなるケースが増えてきている。性能改善の有効打となるのがオールフラッシュ。兼松エレクトロニクスは自社の業務基盤にEMCのオールフラッシュXtremIOを導入し、製品を徹底的に評価した。環境構築で実績のある同社が見るXtremIOの特徴とは? 兼松エレクトロニクスのビジネス開発本部 ビジネス戦略室の関口忠宏氏に話を訊いた。

兼松エレクトロニクス ビジネス開発本部 ビジネス戦略室 関口 忠宏氏

――近年データを多く抱えるシステムでフラッシュが注目されています。どのような環境にフラッシュが向いていますか?

関口 フラッシュというと当初は仮想化環境やVDI環境から導入が広まりましたが、最近ではデータベース環境での問い合わせや導入が増えてきています。ストレージのディスクをフラッシュに置き換えればレイテンシーが低くなるため、IOが多いデータベース環境の性能強化に有効だからです。

関口 データベース環境に向いているのは他にも理由があります。レイテンシーが低くなると、IO待ち時間に浪費されていたCPUを効果的に使えますので、サーバー台数やデータベースのCPU課金ソフトウェアライセンスも減らすことにもつながります。フラッシュ自体はディスクに比べれば高価ではありますが、うまく構成すればトータルでメリットを出せる場合もあります。

――フラッシュ製品の動向をどう見られていましたか?

関口 フラッシュが登場したころから様々な製品を比較してきました。確かにフラッシュですとIOは速くなるのですが、高速化という長所を持ちながらも、どこかに短所(懸念点)があり導入を決断するには至らないという状況が続きました。

――どのような点がネックだったのでしょうか?

関口 お客様の本番環境で扱うということは、データを安全に運用しなくてはなりません。バックアップ、レプリケーション、スナップショットが確実に取れるのか、そうした運用面の安定性や確実性も重要となります。

 大抵のお客様の本番環境ではバックアップシステムが既に稼働していますので、親和性も重要になります。従来のストレージと同様にきちんとバックアップできるのか。保守やサポートはどうか。長期間の使用に耐えられるのか。いくら高速な性能で有利だとしても、運用や保守サポートで不安要素を抱えたくありません。

 例えばフラッシュには書き込み回数に制限があり、当初は「消耗品」という感覚もありました。5年後の品質保証が不明確なものも。基幹システムで長年運用することを考えると、投資の保護の観点からも「これではちょっと……」と導入に踏み切れませんでした。結果として「それならばフラッシュではなく、まだ従来のディスクの方が安全で確実」という判断に至るケースもありました。

――XtremIOではどうでしたか?

関口 XtremIOはオールフラッシュとしては後発でリリースされたため、これまでネックとされた不安要素を払拭するように開発された製品だということが分かります。フラッシュ製品としては第4世代。後発にも関わらずオールフラッシュのマーケットリーダーになっていますので、お客様にも自信を持っておすすめできます。

――他と比べて優れている点、有利な点はどこでしょう?

関口 大きく3点あります。まずは、拡張性です。他のオールフラッシュ製品はデュアルコントローラタイプ(スケールアップ型)であるため、折角の高速なSSDの性能を十分に引き出すことができません。XtremIOはマルチコントローラで拡張(スケールアウト)できるため、容量だけでなく性能も同時に拡張することが可能です。また、オールフラッシュ製品で全てのコントローラをActive/ActiveとできるのはXtremIOだけです。

 2点目は効率性と信頼性です。XtremIOは書き込むときはインラインで重複排除をしていますから容量削減の効率化だけではなく、書き込み回数を減らすことにもつながります。書き込み回数が減ればフラッシュの摩耗を軽減できるため、結果的には寿命を延ばすことにもつながります。他にもデータ圧縮など、フラッシュを活用するためのコア・テクノロジを確実に実装しています。

 最後に際立つのは一貫性です。ガベージコレクションによる性能劣化が発生しないような仕組みにしているため、常に一貫した低レイテンシーで安定している点です。他のフラッシュ製品は一定期間運用したり、高負荷状態ではレイテンシーが変動しますが、XtremIOは低いレイテンシーのまま一定です。導入当初は違いに気づかないかもしれませんが、数年のスケールで見るとここは重要なポイントです。

― RAIDで構成するディスクとはどのような点が異なりますか?

関口 RAIDですと、どのタイプにするか、ディスクはいくつ搭載する必要があるかなど、細かい設計が必要です。しかしXtremIOならプールを設定すればいいだけなのでとてもシンプルです。いままで設計や導入にかかっていた工数・コストを大幅に減らすことができます。

 XtremIOはXDP(XtremIO Data Protection)というRAID技術を発展させたデータ保護の仕組みを採用しています。RAIDよりシンプルかつ、保護に必要なオーバヘッドが8%程度であるため、他のオールフラッシュよりもより多くの容量を使用することができます。

― 自社の基幹システムにXtremIOを導入したとうかがいました。

関口 メインフレームで長年運用していた基幹業務システムを刷新しました。システム全体はVMwareのESXiの仮想化をベースとしつつも、データベース環境は物理サーバーとし、EMC社VMAX3とXtremIOを採用しました。

 マルチベンダーとして、各社製品を適材適所で採用しておりますが、全体で見るとEMC製品が多く採用されることになりました。EMC社からは「見本市のようですね」と驚かれましたが、ユーザーの立場から十分検討を致しました。

― XtremIO はどのような点で有効でしたか?

関口 ディスクより高速なフラッシュを採用したことでOracle RAC環境で3倍以上処理時間が早くなり、半日かかっていた夜間バッチが数時間短縮されました。将来のビジネスの拡大に合わせて、いつでも柔軟に無停止で拡張できることもメリットだと考えています。  

 XtremIOは、特にデータの重複排除と圧縮機能が大変有効でした。VMDK(仮想マシンディスク)なら従来比の1/10 に、データベース環境なら1/3 に、ストレージの使用容量を減らせました。  

 データベース環境では開発や分析用に本番環境のコピーを多数保有することがあります。こういう環境にXtremIOのスナップショットと重複排除が有効に働きます。コピーがあると、通常はコピーした分のストレージ容量を消費しますが、XtremIOの重複排除が働くため、何個コピーして も一切容量は増えません。また、他のストレージと違いスナップショットによる性能劣化が発生しません。XtremIOがデータベース環境に有利というのはまさにこの点です。開発者に対して容量と性能を一切気にしないでコピーデータを渡すことができますので、アプリケーション開発サイクルの大幅な削減はもちろんですが、品質の向上にも貢献します。  

 また、従来よりも多重度を上げたレポーティングや分析もできるようになりますので、ビジネス側から見ても大きなメリットが出せると考えております。

―EMC 製品ならではのメリットはありますか?

関口 仮想化のVPLEX、BCPやDRのRecoverPoint、バックアップならDataDomainやAvamarなど、EMCはハードウェアからソフトウェアまで豊富なストレージ・ソリューションを揃えています。実際のシステム構築にあたっては多種多様な製品技術を組み合わせますが、EMCなら将来のテクノロジーを見据えた開発に力を入れていますので、将来的にも信頼できます。

― お客様にはどのように提案しますか?

関口 弊社はマルチベンダーとして他ベンダーの様々な製品・ソリューションも適材適所で提案致します。特にEMC製品に関しては、アーリーアダプターとして自社の基幹システムでの運用実績も加わりましたので、ユーザー目線も含めた提案ができると思っています。  

 XtremIOはデータベース環境の性能強化やストレージ効率を高めたいお客様、あるいはセキュリティ対策としてVDIをご検討しているお客様には非常に効果的であると考えています。

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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