ノウハウのある富士通がワンストップでサポートする
信頼性、可用性や高速性の確保に加え、企業がデータベースを利用する上で重要視するのが、安定した運用の実現だ。そして安定した運用を実現する上で重要となるのが、サポート体制だ。ところでOSSのPostgreSQLは、開発コミュニティによるサポート期間がメジャーバージョンアップから5年間となっている。企業システムには、5年以上同じバージョンのデータベースを使い続けるものも多々ある。そうなると、5年のサポート期間だけでは足りない。
5年経過してしまうと、何か問題が発生してもバージョンアップでしか解決できないが、稼働しているシステムのバージョンアップは難しい。そこで、5年経過した古いバージョンについても、富士通のエンジニアがソースコードに手を入れ必要な修正を行う。これが富士通の長期サポートのサービスだ。「安定した長期サポートなしには、ビジネス現場では使えません」と佐野氏も強調する。
また、OSSを利用していて障害が発生した際には、基本的に原因の切り分けはユーザー自身が行わなければならない。これには多くの手間と時間が掛かり、当然ながら高い技術スキルも必要だ。原因の切り分けを行いPostgreSQLに問題があれば、それをコミュニティに報告し修正をしてもらう。その修正がすぐに行われるかは、コミュニティの判断となる。待っていられなければ、自分でソースコードを修正するしかないだろう。
これに対して富士通ならば、データベースを動かすサーバーやストレージなどのハードウェア、さらにはOSや仮想化などのインフラのソフトウェアも含めワンストップでサポートできる。面倒な原因の切り分け作業をユーザーが行う必要はないのだ。その上で、ノウハウを持つ富士通の技術者が、ソースコードレベルで修正できるメリットは、安定した運用を長く続けるために大きく影響する。
加えて富士通では、OSSコミュニティの活動にも積極的に関わっている。独自に作成した修正パッチをコミュニティに提供するのはもちろん、新機能やバグ修正のレビューなどにも深く関わっている。PostgreSQLをエンタープライズで活用できるようにするためのベンダーを越えた活動「PGECons」においても、技術ワーキンググループ活動などを積極的に行っており、コミュニティの活動にも大きく貢献しているのだ。
PostgreSQLを使いこなすために選ぶべきパートナーの条件とは
企業がOSSを活用する際に、コミュニティに自ら参加し自分たちの力だけで使いこなすのは簡単ではない。特に日本では、ソースコードレベルにまで踏み込むことができるようなOSSのエンジニアを抱えられるのは、ほんの一部の企業しかないだろう。
結果的にPostgreSQLを企業で活用しようとすれば、ベンダーやディストリビュータが提供するPostgreSQLベースの製品を活用し、彼らが提供するサポートサービスを受けるのが賢明だろう。このときにどの製品、どんなサポートを求めればいいかは、自分たちがこれから運用しようとしているシステムがどのような性格のもので、今後どのようにオープンソースを活用するのか、その方針も含めて判断することになる。
ライセンス費用削減のためにOSSを活用する考えもあるだろう。しかし、安易にOSSを採用すると、結局は運用などに手間とコストがかさみ、なかなか使いこなせない事態に陥る恐れがある。OSSを活用したければ、OSSの良さを最大限に引き出してくれるパートナーを見つけることが得策だ。
その際、富士通のようにソースコードレベルにまで踏み込んでいて、そのOSSの利用で実績があること、さらには企業システムで必要となるミッションクリティカルなシステム要件にも精通していること。この両方を兼ね備えていることが、企業がOSSを使いこなす上で重要なポイントとなるだろう。
商用かOSSかを適材適所で選び、その上でデータベースに何を求め、サポートしてくれるベンダーに何を期待するのか。商用データベース以上に、OSSのデータベースを選ぶ際には、製品やその周辺のサービスを見極める力がユーザーには求められている。
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