SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

「MODERNIZE~ITとデータセンターの未来を変える」―EMC World2016 ダイジェスト(AD)

15年後を見据えてITとデータセンターを最新鋭化せよ

EMCのクラウド戦略、2つの軸

 次にEMCが考えるクラウド戦略へと話を移そう。EMCのクラウド戦略はオンプレミスとオフプレミス(クラウド)、トラディショナルとクラウドネイティブという2つの軸で分けている。

 まずオンプレミスでトラディショナルにあるソリューションが「Enterprise Hybrid Cloud ソリューション」。2014年からリリースされており、セルフポータルと自動化によりITaaSの実現とTCO削減を目指す。従来のITをいかに効率化するかという世界だ。

 このオンプレミスで稼働するトラディショナルなワークロードを、オフプレミス(クラウド)へと移行するソリューションが「Virtustream」。マネージドクラウドサービスに特化したクラウドサービスプロバイダだ。2016年5月からは「Virtustream Storage Cloud」が提供開始となり、オンプレミスにあるデータのバックアップやアーカイブとして使える。

 クラウドネイティブにおけるソリューションは「ネイティブハイブリッド」。クラウドネイティブのアプリケーション開発、実行環境に最適なPaaSを提供する。2017年から提供開始予定。加えてVirtustreamがPivotal Cloud Foundryをサポートすることも新たに発表された。こちらは2016年下半期からサービス開始予定。

 インフラ構築の効率化の決定打となるのがハイパーコンバージドインフラだ(事前検証済みでストレージを統合したサーバーで、拡張性に優れている)。ここにEMCが新しく発表した製品が「VxRack System 1000 with Neutrino Nodes」。EMCがハードウェア、プラットフォーム、IaaSまで一括して設計し、構築し、サポートも担う。吉田氏は「すぐにIaaSとして使える、ラックスケールのハイパーコンバージドインフラです」と言う。OpenStack(コミュニティ版)ほか、管理コンポーネントにOSSを採用しているのが特徴だ。

 実装している機能はアカウント管理、リソース管理、監視&レポーティング、REST API、ログ管理、インベントリ管理、ソフトウェアインストール&アップグレード、システムメンテナンスがあり、すぐに使えるようになっている。OpenStackはリリース時の最新版で検証済みのものが搭載される。日本では2017年上半期から提供開始予定。

 吉田氏は「ノード拡張作業は数十分で完了します。しかも完全自動化です。わずか数クリックでできます」と強調し、実際に4ノード追加する様子をデモした。まずは管理画面から追加したいノード(未使用のノード)をクリックし、次に「Deploy Service」をクリック。後はバックグラウンドで必要なソフトウェアのインストールから、各種設定や構成変更が実行され、数分から数十分後にはノード拡張が完了する。

 本製品の提供により、VxRack Systemのラインナップは3つに広がった。これらの違いはハイパーバイザーに何を使うかでもある。これまでは仮想インフラとしての「FLEX Nodes」、VMware IaaSとしての「SDDC Nodes」があり、そこにクラウドネイティブなIaaSの「Neutrino Nodes」が加わることになる。現時点では「Neutrino Nodes」で実装されるのはOpenStackだが、将来的にはPHOTONやHadoopも計画中だという。吉田氏は「お客様の選択肢を増やし、さらに使いやすくなるようにと考えています」とEMCの考えを述べた。

 さらに、吉田氏はこのNeutrinoとオープンなPaaSであるPivotal Cloud Foundry(以下、PivotalCF)を連携・統合させたEMC Native Hybrid Cloud(ネイティブ ハイブリッド クラウド)についても言及した。クラウドネイティブの世界ではトラディショナルのものとは異なる、新たな技術要素が必要になってくる。例えばアジャイル開発、コンテナ技術、モバイル対応、ソースコード管理など。

 なかでも重視すべき要素として吉田氏が挙げるのはアプリケーションを疎結合させる「マイクロサービス」、素早く確実なリリースサイクルを実現する「継続的デリバリー」、開発と運用チームが目的を共有し協調を重視した仕事の関わり方である「DevOps」。ここにPaaSとIaaSの基盤をまとめてターンキーで利用できるEMC Native Hybrid Cloudが「最適」だと吉田氏は言う。

 EMC Native Hybrid Cloudを活用すればアプリケーションのコードさえあれば、自動的に環境構築され数分後にはアクセス可能となるという。例えばRuby、PHP、Python、Node.jsなどで作成されたコードがあると、自動的に言語を判別し、アプリ実行環境を準備し、アプリを配置し、LBの配置まで自動的に行う。コンテナ技術を使うため立ち上げも削除も早い。

 EMC WorldでEMCが特に強調した製品を挙げると、ネイティブハイブリッドクラウドに対応したハイパーコンバージドインフラの「VxRack 100 System with Neutrino Nodes」、PaaS環境まで統合した「Native Hybrid Cloud」、マネージドクラウドサービスの「Virtustream」。これからの世界、ネイティブハイブリッドクラウドでのアプリケーション開発プラットフォームを構成する要素となる。

 「お客様がより使いやすいようにEMCはこれからオンプレもクラウドもどちらも使えるという幅広い選択肢を提供していきます。これらはデジタルトランスフォーメーションを支援する、すぐに使えるプラットフォームです」と強調して締めくくった。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
「MODERNIZE~ITとデータセンターの未来を変える」―EMC World2016 ダイジェスト連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/8207 2016/07/21 12:16

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング