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日本でパッケージを作るのが難しいのはなぜ?/経営者の引き際について

edited by DB Online   2016/07/29 13:00

年寄りは変わる?変わらない?

編集部 この対談を掲載しているEnterpriseZineは、ユーザー企業の情報システム部門長向けというターゲットを掲げているのですが、何か、若い世代へ向けて、その、メッセージを発していくのは……

神林 いや、若い世代に向けるんだったら、「もっとがんばれ」しかないですね。

編集部 年寄りに向けては…

神林 「ハッピーな引退」ですかね(笑)。

井上 そこは僕、一応対立しておきますけど(笑)、年寄りだから考えが変わらないって思うんじゃなくて、変わるんじゃと思っている。

神林 それ、井上さんに聞きたいんですけど、年を食うと絶対に衰えるんですよ。体はね。絶対に衰える。で、衰えたときに何が問題かっていうと、衰えを自覚しないんです。これすっごく多い。たとえば、僕は山に登るんですけど、たいがい事故る人って、若いとき山に登ってたりするんですよ。それで「いけるはずだ」でいって転ぶ。それは継続してやっていなかったり、自分の自覚が、自分の能力が劣ってきているという自覚がなかったりするから転ぶ。体力がいちばんわかりやすいんですよ、はかりゃいいんだから。はかりゃいいのに、落ちてる自覚がない人がすごく多い。

井上 なるほど。まあ、そうだったとして…?

神林 ……ということで、基本的に年寄りになればなるほど、自分の力が落ちているという自覚が取りづらい。全体的に能力が落ちるんですけど、そこらへんのギャップが自分で埋められない、だからだめですっていう、その、引退ができない。

井上 引退ができるできないの話っていうよりは、年寄りでもチャレンジしたり新しいことができるのではないかって僕は思っているんです。

神林 おおー。

井上 もう絶対頭が固いから年寄りというのは変わらないという前提を置かなくてもいいのではないかなと。

神林 年寄りは変わらないか、変われないところはあるわけですよ。あ、世代交代って話じゃなくて自分ががんばるという話をしているんですね?それでがんばれるのではないかと言っているんですね?

井上 うん。

神林 能力は落ちるじゃないですか。

井上 落ちるかもしれない。

神林 っていうことは頑張れるかどうかっていうところは、けっこういろいろと難しいんじゃないのっていうのは思いますよね。まず体力は落ちますよね。

井上 体力は落ちますね。

神林 だから長時間いろいろ、集中力も絶対落ちるわけですよ。

井上 集中力は落ちているかもしれないですけど、変わることに必要なものは集中力だけじゃないですよね。決断力だったり、ある種思い切りだったり。

神林 体力が鈍ると決断力が鈍ると思いますよ。

井上 うーん。一方で、もう少し期待したい、というか年寄りにもむしろいい点もあるかもしれなくて。若い人って先が長いじゃないですか。そうすると、何らかの変更のリスクの影響も大きいじゃないですか。影響を受ける時間が。でも、残り5年とかってなればリスクをとって失敗したときに被る影響も少ないし、思い切れるんじゃないかなと。

神林 5年間逃げきろうとするんじゃないですかね。ここまでいろいろトライしてきていると思うんですよ。だからそこまで上がっているわけで、それをさらにひっくり返して、新しいことやろうっていうインセンティブは、非常にわきづらいし、それ体力がいる話じゃないですか。集中力、精神力もいる話だし、なによりやっぱり体力が必要で、それはなかなか、自分では認めたがらないですけど、現実的に体が動かない。そうするとどう考えるかっていうと、俺はできるけど、まあ、これぐらいでしかがんばれないって話になるかと。

井上 そこに答えはないんですけど(笑)、そんなにかたくなに絶対変われないと思い込まなくてもいいんじゃないかなと。

編集部 こう、創業した経営者が、君主的に自分が終わるときが企業も終わるときと考えて、会社としての幕引きを考えたりしている人はいそうですよね。

神林 そういう人多いですよ。やっぱり後継者を作ることに失敗している経営者がすごく多いので、それはでかい。割と有名なのは某アパレルの会社さん。次から次へと社長とりかえた挙句の果てに自分が戻っちゃったりして。何をしてんですかって話をふつうは考えるんで。あんな感じの会社さんって、トップは俺がやるっていまだに言ってるところがやっぱり多い。メーカーにしろ、流通にしろ、多いですよ。


著者プロフィール

  • 井上誠一郎(イノウエ セイイチロウ)

     株式会社ワークスアプリケーションズ  Partner/Executive Fellow  ロータス株式会社時代、アメリカ・ボストンのIris Associates社に出向、Lotus Notesの開発に従事。その後、アリエル・ネットワーク株式会社の創業メンバーとして参加、CTOを務める。現在は株式会社ワークスアプリケーションズのエグゼクティブフェローとして、製品横断のパフォーマンス改善、開発インフラの改善、採用(グローバル)、教育等に従事。また、同社の新製品である世界初の人工知能型ERP「HUE」開発のアーキテクチャー責任者を務め、グローバルでの開発を指揮している。

  • 神林飛志(カンバヤシ タカシ)

     ノーチラス・テクノロジーズ 代表取締役社長  1998年、小売りチェーンのカスミに入社。2002年10月にウルシステムズ取締役に就任。2011年10月ノーチラス・テクノロジーズ代表取締役副社長を経て、2012年4月より現職。オープンソースの分散処理ソフト「Hadoop」で基幹系のバッチシステムを実現するための「Asakusa Framework」を開発、分散処理システムの導入を手掛けている。

  • DB Online編集部(ディービーオンライン ヘンシュウブ)

    DB Online編集部 翔泳社 EnterpriseZine(EZ)が提供するデータベース/データテクノロジー専門メディア「DB Online」編集部です。皆様からの情報お待ちしています。 Twitter : https://twitter.com/db_online Facebook : http://www.facebook.com/dbonline.shoeisha

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