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SAP HANA 2で2段目のロケット噴射し、次のイノベーションを加速させる


 12月8日、SAPジャパンはインメモリデータベース「SAP HANA」の次世代版となる「SAP HANA 2」の提供開始を発表した。次世代型アプリケーションに対応するプラットフォームを目指す。

SAPジャパン バイスプレジデント プラットフォーム事業本部長 鈴木正敏氏

SAPジャパン
バイスプレジデント 
プラットフォーム事業本部長 
鈴木正敏氏

 SAPジャパン バイスプレジデント プラットフォーム事業本部長 鈴木正敏氏は「SAP HANAが登場して6年。これまで培ったことを踏まえ、SAP HANA 2で新しい時代を作っていく」と話した。

 これまでSAP HANAでは、新機能や機能拡張は年に2度のSPSで提供されていた。SPSの数字が増えれば、一般的なソフトウェアなら新しいバージョンになるという感覚だ。しかし今回は新しいSPSではなく製品自体の名前をSAP HANA 2としており、製品が新しい世代に突入するという意気込みの表れ。

 従来版はSAP HANA SPS12でSPSの数字は止まり、今後の新機能や機能拡張(SPS)はSAP HANA 2で年に2度提供される。つまり変わらないSAP HANA SPS12と、進化するSAP HANA 2以降で分かれる。

 SAP HANA SPS12のユーザーに対して鈴木氏は「メンテナンス期間の制約にとらわれず、長期間アプリケーションを稼働できます」と言う。またSAP HANA SPS10以降ならダイレクトにSAP HANA 2へバージョンアップする余地もある。

 このように分けたのは2通りのユーザーに対応するため。最新機能を求めるユーザーがいる一方、新しいSPSを不要として「現状のまま使いたい」というユーザーもいる。前者には最新機能をSAP HANA 2でイノベーションを提供し、後者のためにSAP HANA SPS12を残す。

 SAPが「次世代プラットフォーム」と呼ぶSAP HANA 2はいわゆる「デジタルトランスフォーメーション」などに代表される、最新技術を盛り込んだアプリケーションやサイトのプラットフォームを想定している。

 同社 プラットフォーム事業本部 エバンジェリスト 松舘学氏は「ビジネス革新に最適化した、業界で唯一無二のプラットフォーム」と話す。SAP HANA 2の柱はインメモリデータベースに加え、データ管理と統合、高度な分析処理、アプリケーション開発とデリバリとなる。

SAPジャパン プラットフォーム事業本部 エバンジェリスト 松舘学氏

SAPジャパン プラットフォーム事業本部 エバンジェリスト 松舘学氏

 SAP HANA 2の(SAP HANA SPS12からの)新機能と機能拡張は以下の通り。

データベース管理

 新機能は「Active/Active read-enabled」で、アクティブなセカンダリを読み込み用にも使えるようにしてリソース有効活用を図ることができる。ほかにもデータ暗号化、ワークロード管理、マルチデータベースとテナントの運用監視で機能拡張している。

データ管理

 新機能は「SAP Enterprise Architecture Designer」で、モデリングをシンプル化する。ほかにもダイナミックティアリング(階層化ストレージ)、ABAPシステムへの読込/書込というデータ統合にて機能拡張している。

分析インテリジェンス

 新機能は機械学習を用いた予測解析。現時点では8つのアルゴリズムに対応している。ほかにも検索、テキスト分析、グラフビューワーなどで機能拡張している。

アプリケーション開発

 新機能はファイルプロセッサーAPI。Wordなどバイナリ文書のテキスト処理などをAPIでできるようにする。ほかにもアプリケーションサーバーでは開発言語とランタイムの拡張、開発ツールではグラフィカルモデリングによる地理空間情報などを拡張している。

 加えて新しく簡易版となる「SAP HANA Express Edition」、「SAP HANA マイクロサービス」が登場する。前者は現時点ではSAP HANAの簡易版で、近々SAP HANA 2の簡易版がリリースされる予定。メモリが32GBまでのクラウドやラップトップ(パソコン)にインストールできる。オフラインでも使えるのが特徴だ。アプリケーションを手軽に始められるようにしたもの。

 また後者となる「SAP HANA マイクロサービス」はSAP HANAの機能をAPIで呼び出せるもの。「この機能だけ使いたい」というような限定的な利用に向いている。SAP Hybris as a Service(YaaS)を使い、利用量に応じた課金モデルで提供する。松舘氏は「確認中」と断りつつ「APIコール量で課金されるのでは」と話した。

 SAPはユーザーに選択肢を広げた。SAP HANAのまま使うか、SAP HANA 2で新機能を追求するか。製品機能をフルに使うもよし、APIからマイクロサービスでちょっとだけ使うもよし。

 次世代へと製品が向かうなら製品名を刷新する方法もあったのに、名前を踏襲したことについて鈴木氏は「HANAはイノベーションの代名詞なので」と理由を述べ、「ここで二段階目のロケットを噴射して、あらためてイノベーションを進めていきます」と意気込みを語った。

 

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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