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PostgreSQL for Auroraで、オンプレミス商用データベースのクラウド移行は加速するか

 12月15日、アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWS)が、11月29日から米国ラスベガスで開催していたカンファレンスイベント「re:Invent」の報告会を開催した。re:InventはAWSの世界最大のカンファレンスであり、マーケティングイベントではなく参加者自らが学ぶ機会を得る「学習型カンファレンス」であることが特長だ。AWSの業績は、12月の売り上げ13ビリオンドルで年率55%の成長を続けている。顧客も数百万を超えるアクティブカスタマーがある。リージョンも増えており、カナダ、ロンドンが追加されデータセンター群は世界中に42まで増えている。

 過去10年間で58回の値下げも実施して、顧客に還元していると述べるのは、技術本部長の岡嵜禎氏だ。2016年のre:InventのメッセージはSuper Powersで顧客にパワーをもたらすプラットフォームというもの。そのために新たなサービスも多数発表している。もう1つキーワードになったのが「Transformation」で顧客の開発のやり方やデータ処理、コンピュータ処理のやり方を変えて、顧客のビジネスにも変革をもたらすというものだ。

AI、ビッグデータ関連の新機能が大きなトピック

アマゾン ウェブ サービス ジャパン 技術本部長 岡嵜 禎氏

 2日間で発表された主要な新サービスは24あると岡嵜氏。その中から、AI、データベース、ビッグデータなどについて説明が行なわれた。

 まずAIについては、Amazon.com自体が10数年前から使っていたものを、顧客にも使ってもらうためのものだ。Amazon Pollyはフルマネージドの“Text-to-Speech”の機能であり、テキストで打ったものを音声として読み上げてくれる。API経由でも利用することが可能で、日本語を含む24の言語、47種類のボイスに対応している。Amazon Rekognitionは、ディープラーニングを利用した画像認識で、人物の識別を行い顔の表情から怒っているなどの表情も認識できる。バージニア、オレゴン、アイルランドのリージョンで利用が可能で、月に5000回までの認識は現在は無料で利用できる。

 Amazon LexはAmazon Alexaのインタラクションモデルで、Alexaのエンジンを使って自然言語処理などの技術を使ってbotの開発を容易にするサービスだ。Amazon LexとAWS Lambdaを組み合わせて使うことでチャットbotのビジネスロジックを実装することができる。またAIについては、P2というインスタンスを使って自分たちでライブラリを組み込んでディープラーニングなどを行なうといった使い方もできる。

 もう1つ新サービスとして説明したのがデータベースとビッグデータのアップデートだ。その1つめがPostgreSQL for Aurora。MySQLのAuroraに続き提供を開始するもので、PostgreSQLのバージョンは最新の9.6.1と互換。MySQLのAuroraと同じストレージシステムを使用することで高度な可用性を実現している。ストレージにはSSDを使用し、最大64テラバイトまで拡張可能だ。S3への増分バックアップなどもあり、ユーザーはデータベースサーバーの可用性や拡張性などを気にせずに、データベースを利用できる。また同時にRDS向けのPerformance Insightというデータベース状態を監視し、チューニングをするためのGUIツールも提供する。

 オンプレミスの既存商用データベースからのクラウド移行を考えた際には、MySQLでは互換性が乏しく移行に手間がかかることも多いだろう。その点PostgreSQLであれば、移行ツールや移行のためのノウハウ情報の蓄積もあり移行はかなりしやすくなると予測される。ここ最近、データベースもクラウドでという声も良く耳にするので、今回発表にPostgreSQL for Auroraがこの動きを加速することになるかもしれない。

 もう1つのデータ基盤関連の発表が、Amazon S3のデータレイク機能だ。今まではビッグデータの分析を行いたければ、S3のデータをRedshiftに移動させるか、Hadoopの仕組みであるAmazon Elastic MapReduceに渡す必要があった。それに対して今回、S3にあるデータに標準SQLでアクセスできるようにするAmazon Athenaを発表したのだ。S3からデータを一旦取り出すことなく、直接SQLでアクセスできる。これを使うには事前にS3に格納しているデータに対し、スキーマーの定義は行う必要がある。SQL実行の部分では、分散クエリー処理となるPrestoの技術が使われている。サーバーなどを別途上げる必要はなく、読み込んだデータの量にのみ応じてAthenaは課金される。

 AWS Glueは、ビッグデータ活用の前処理を行うためのサービスだ。これは、いわゆるETLツールに当たるもの。データカタログの作成、データの加工、ロードの処理が行える。S3やRDS、Redshift、外部データベースにどういったデータがあるかをデータカタログとして作り、それを使ってGUIの定義でS3からRedshiftへデータをロードするなどの処理ができる。

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マイクロサービス、サーバーレスの領域も強化

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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