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インフラや運用に固執していては何も始まらない――DX実現に向けてIT部門がやるべきことは?


真のハイブリッドクラウドの実現に向けてIT部門は何をすべきか

 プライベートクラウド、SDIときて、次のトレンドにはハイブリッドクラウドがある。企業の投資をITシステムの形態別に見ると、従来のメインフレーム、クライアントサーバー、ホスティングは減少傾向にあり、プライベートクラウドやパブリッククラウドが急速に伸びている。現実的には1社で複数のクラウドを併用していくことになると見られる。つまりハイブリッドクラウドだ。  

 IDCは「2019年にはクラウドを利用する企業の75%以上がハイブリッドクラウド戦略を策定する」と予想している。これは中期または長期でハイブリッドクラウドをどのように使っていくか計画を立てるということ。  

 オンプレミスのシステムとクラウドサービスの両方を運用していたとしても、適材適所で個別に運用しているだけでは「ハイブリッドクラウドとはいえません」と入谷氏は指摘する。「本当のハイブリッドクラウドとは、異なるIT環境にある複数のプロセスやデータを連携し、統合的に運用管理を行っていくこと」。これはデジタルトランスフォーメーションの実現にも欠かせない。  

 加えて入谷氏は「ハイブリッドクラウドではオープンスタンダードであるOSSやAPIを通じ社内だけではなく社外とも連携し、パートナーや顧客と協業して新たなビジネスを創出することができます」と述べ、社外との連携についても強調した。  

 ハイブリッドクラウド実現までのロードマップは以下の通り。準備と試行を経て、おおよそ3~5年かけて稼働へと導くのが一般的だ。

図:ハイブリッドクラウドのロードマップ 出所:IDC Japan

 なかでもハイブリッドクラウド実現に伴いIT部門が取り組むべきこととして、入谷氏は5つのポイントを挙げた。

  • ワークロード中心型プロセスの導入
  • 統合的でオープン標準を用いた運用管理ツールの導入計画
  • レガシーツールからの長期的な移行計画
  • スキル、役割、ワークフローのアップデート
  • IT部門とビジネス部門のガバナンスの調整  

 最後に入谷氏はこれからのITインフラチームに向けていくつか心得をアドバイスした。まず「インフラや運用に固執していては何も始まらない」と指摘。アプリやビジネスにも目を向けることで新しい知見や発見が生まれるので、視野を広く持つことを促した。そして「今は新しいテクノロジーを最小限のリスクで試行できます。事例探しをするなら、自ら試して自社ビジネスとの適性を見極めたほうがいいです」と言う。まずは試してみよということだ。  

 運用に関しては「IT部門だけでITの全てを運用しようとしないこと」。抱え込まず、ビジネス部門に任せられるところは任せてしまうのがいい。クラウドのセルフサービス管理ポータルなどその最たるものと言えるだろう。管理者を介することなく、リソースを申請して利用可能にできるようになれば管理者の手間が減らせるだけではなく「ビジネス部門のITコストに対する意識を高めることができます」と入谷氏は言う。  

 そうしたハイブリッドクラウドを実現していくなかで「組織や場所を越えてコラボレーションしていくことが重要です」と入谷氏。ITインフラがハイブリッドになれば、人や組織もハイブリッド化し交流が進む。これからのデジタルトランスフォーメーション時代に向けて、自分の役割を限定せず柔軟なマインドを持つことも重要になりそうだ。

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:http://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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