ITの最新鋭化、働き方に合わせたパソコン、セキュリティも幅広くカバー
次にIT(システム)のトランスフォーメーション。これまでのITシステムで必要なものは維持しつつ、運用を最適化するために変容させていく。具体的にはデータセンターを最新鋭化したり、サービスのデリバリーを自動化したり、ITオペレーションを変革したりするなどだ。
ITでトランスフォーメーションするのは大きく分けて2つ。インフラとクラウドだ。ITシステム全体の構成要素を層で分けると、下からハードウェア(サーバー、ストレージ、ネットワーク)、仮想化レイヤ、オーケストレーション、プラットフォーム、アプリケーションとなる。インフラだとハードウェアと仮想化レイヤ部分、クラウドだとオーケストレーション、プラットフォーム、アプリケーション部分を最新のものにトランスフォーメーションすることになる。
杉本氏は「インフラをモダナイズさせる最速の方法はコンバージドシステムです。さらにクラウド運用を最新鋭化するにはDell EMCエンタープライズ ハイブリッド クラウド ソリューション(以下、EHC)があります」と話す。コンバージドシステムはあらかじめ最適化されて組み上げられたサーバーのシステム、EHCはコンバージドシステムをベースにIaaS環境を構築するためのソリューションとなる。
ここで一般的な企業にて、現場部門のユーザーが何らかのITサービスを申請する場合を想像してみよう。まず社内稟議の申請プロセスがあり、ITシステム部門がリソースを割り当てたり、設定を調整するなど細かな作業が発生する。トータルで数週間くらいは必要になる。しかしEHCでITを最新鋭化すると、社員はパブリッククラウドを使うように必要なITサービスをカタログから選択して利用開始できるようになる。これがITをトランスフォーメーションした一つの形となる。
続いてワークフォースとセキュリティのトランスフォーメーション。近年では日本でも「働き方改革」という言葉をよく耳にするように、働き方は徐々に変化しつつある。働く時間や場所がこれまでと変化してくると、必然的に働くスタイルに合わせたパソコンやデバイスも変わってくる。
Dell EMCは内勤でありつつも会議などでよく移動する人向けに業界初のワイヤレス充電ラップトップ、9つに画面分割できる43インチディスプレイなどを発表した。
そしてセキュリティも忘れてはならない。これまで述べてきたように、クラウドネイティブなアプリケーションが登場し、ITシステムが最新鋭化し、働き方が変容してくるとなると、セキュリティも対応していく必要がある。
杉本氏は海外の事例を挙げた。ある企業は医療分野で画期的なデジタルトランスフォーメーションを実現してビジネスで急成長したものの、サイバー攻撃で甚大な被害を被った。どんなに業務やITシステムを最新鋭化できたとしても、セキュリティが不十分では元も子もなくなってしまうことがある。その点「Dell EMCは(統合により)エンドポイントからコーポレートガバナンスまでカバーできるセキュリティ対策ソリューションがそろっています」と杉本氏は示した。
最後に杉本氏は同社のCSR活動について簡単に紹介した。永続的な社会実現に向けて、ペットボトルなどの海洋浮遊プラスティック廃棄物削減、小児がん治療のためのゲノム解析、都市部の子どもの貧困対策、女性起業家支援などに取り組んでいるという。