Shoeisha Technology Media

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

テーマ別に探す

「未来洞察」実践講義-得られた気づきを事業に活かしサービスをデザインする

  2013/09/11 08:00

前回は未来洞察が必要とされる背景や、イノベーション創発プロセスの起点としての有用性についてご紹介しました。今回は実際に未来洞察を行う際の手順を中心にご紹介します。

そもそも未来とは?

 「あなたの未来について教えてください」と聞けば、ある人は明日の予定について答えるかもしれないし、ある人は将来のキャリアプランを答えるかもしれないし、またある人は老後や自分の死後のことについて答えるかもしれません。このように“未来”とひとことで言っても、その範囲はさまざまです。時間軸の長短による違いもありますが、重要なのは「情報の確度」の違いです。不確実性の違いといっても良いでしょう。

 先の例であれば、明日の予定は急に変更になる可能性なども考えられるものの、どちらかといえば不確実性の低い情報といえるのに対し、老後や死後のことであれば不確実性が高いといえるといったような違いです。また、時間軸が短いからといって必ずしも不確実性が低いとも限りません。たとえば、明日の予定は不確実性の低い情報かもしれませんが、明日事故に遭う可能性となると不確実性が高い情報だといえるでしょう。

 未来を洞察するにあたっては、このような不確実性の違いを意識し、区別しながら取り扱うことが重要になります。その時に有効なのが「インサイド・アウト」、「アウトサイド・イン」の2つの思考アプローチです。

インサイド・アウトの思考アプローチ

 インサイド・アウトとは文字通り、内側から外側へという思考のアプローチです。図1に示したように、ここでいうインサイドとは既存の視野の内側、すなわち未来に関して既に分かっている情報や既存の分析から広く知られているトレンドなど、「不確実性の低い情報」を意味します。

 それらの不確実性の低い情報を起点として、それらの視野の外側にあたる、まだ見ぬ未来の変化の仮説を演繹的に思考していくというのがインサイド・アウトの思考アプローチです。一般的に行われている需要予測や技術ロードマップなどの多くは、こうしたインサイド・アウトの思考アプローチで行われていることが多いと思います。そういう意味では、何かを予測し計画を立てる際に広く用いられている思考アプローチといえます。

図1 インサイド・アウトの思考アプローチ

※この続きは、会員の方のみお読みいただけます(登録無料)。


※この続きは、会員の方のみお読みいただけます(登録無料)。


著者プロフィール

  • 石野 幹生(イシノ ミキオ)

    1996年、早稲田大学大学院理工学研究科修了(建築学専攻)後、博報堂に入社。マーケティング職、ストラテジックプラニング職を経て、2003年より博報堂イノベーション・ラボの前身である博報堂フォーサイトに参加。以来、自動車・情報通信・エレクトロニクス・流通等、幅広い業種におけるイノベーション創発コンサル...

バックナンバー

連載:“生活革新イノベーション”のためのサービスデザイン
All contents copyright © 2007-2019 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5