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己を知り、未来に備えるインテリジェンス~日本貿易振興機構(ジェトロ)上席主任調査研究員 北岡元氏

日本貿易振興機構(ジェトロ)上席主任調査研究員 北岡元氏


「情報」という日本語には、英語でいう「インフォメーション」と「インテリジェンス」の二つの意味が含まれている。前者は「ある事柄についての知らせ」であり、後者は「判断したり行動したりするために必要な知識」だ。米国では両者を明確に区別しつつ、その関係を体系化し、国家や企業の戦略策定・執行に活用している。 外務省において「情報」の重要性を体感してインテリジェンスの体系を学び、ビジネスの現場における実践についても数々の提言をしている、日本貿易振興機構(ジェトロ)上席主任調査研究員の北岡元氏にお話を伺った。

インフォメーションとインテリジェンスの違い

―最近日本でもBI(Business Intelligence)が注目されています。ただ、これまで「インテリジェンスとは何か」については、あまり語られてこなかったのも事実です。北岡先生は1979年に外務省に入省後、国際情勢を分析する仕事を続けてこられ、2003 年に『インテリジェンス入門』という本を上梓されました。インテリジェンスに興味をもたれた経緯と、インテリジェンスとは何かについてお聞かせください。

 外務省は外交政策を企画立案し、執行する組織です。しかし、政策というものは何も無いところからは出てきません。政策の下支えをしているのは情報です。この部分で失敗すれば、適正な施策を企画立案できないし、執行もおぼつかない。それならば、土台の部分を徹底的に追求すれば面白いのではないかと思うようになったのです。そこで各国の大使館や領事館に赴任した際に一生懸命に情報収集に努め、特に国際情報局国際情報課長に就任してからは、政策を企画立案する人が使いやすい形に加工しました。

 そして2001 年、世界平和研究所に出向した機会に、それまでほぼ無意識に行っていた一連の作業を体系的に考えるため、本格的に勉強を始めたのです。その時に明瞭に分かってきたのが、日本語で「情報」と呼ぶものは、「インフォメーション」と「インテリジェンス」の二つに完全に分かれるということです。

 我々が人から聞いたり、見たり、新聞等で読んだりして得た情報はインフォメーションです。それをそのまま政策を立案している人に渡しても、なかなかうまく利用することができません。インフォメーションの数は膨大ですから、その洪水におぼれてしまって、ほとんどが無駄になっていく。一方、そのインフォメーションを、収集・分析というプロセスを経て、判断や行動のために必要な知識としたものがインテリジェンスです。

 実は米国ではインテリジェンスの研究が当たり前のように行われていて、専門家が数多く存在することも分かりました。そしてさらに研究を進めているうちに「これはどうも国家だけの世界ではない、ビジネスのインテリジェンスも根底は同じ」ということが分かってきたのです。実際ビジネスの世界では、CI(Competitive Intelligence:競合インテリジェンス)という枠組みが作られていて、SCIP(Society of Competitive Intelligence Professionals)という協会もあります。

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インテリジェンスを生み出し、生かす組織の要件

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