英ガートナーは、6月22日(現地時間)、2020年のデータとアナリティクスに関するテクノロジー・トレンドのトップ10を発表した。
データとアナリティクスに関するテクノロジー・トレンドは、データ/アナリティクスリーダーが、新型コロナウイルス感染症への対応を舵取りし、パンデミック後の回復や再出発に備える上で役立つものとなっている。
トレンド1として挙げられたのは、「より賢く、速く、信頼の置けるAI」となる。2024年末までに75%の組織がAIを試験的な導入から運用化の段階へと移行させることで、データのストリーミング量とアナリティクスインフラストラクチャが5倍に増加すると予測する。
トレンド2は「ダッシュボードの衰退」となる。従来のダッシュボードのようなマウス操作をともなう可視化と探索に代わり、拡張アナリティクスやNLPなどを活用する動的(ダイナミック)なデータ・ストーリーが用いられるようになると見込む。
トレンド3は「意思決定インテリジェンス」となる。2023年までに大企業の3分の1が、意思決定モデリングを含む意思決定インテリジェンスを実践するアナリストを抱えるようになると予測している。
トレンド4は「Xアナリティクス」となる。「Xアナリティクス」とは、テキストアナリティクス、ビデオアナリティクス、オーディオアナリティクスなどを総称した造語。AIだけでなくグラフアナリティクスなど他の手法と組み合わされ、自然災害をはじめとする将来の危機的状況を特定し、予測し、計画する上で重要な役割を果たすことになるという。
トレンド5は「拡張データ管理」で、MLとAIの手法を活用して運用の最適化と改善を図る。また、監査/来歴/レポート作成などに用いられているメタデータを、システムの強化に役立てる拡張データ管理プロダクトの普及を予測する。
トレンド6は「クラウドは必然」となる。2022年までにデータとアナリティクスのイノベーションの90%において、パブリック・クラウド・サービスが不可欠になると見込んでいる。
トレンド7は「データとアナリティクスの世界が衝突」となる。従来は別個の存在とみなされていたデータとアナリティクスの領域がぶつかり合うことで、これまで個別に活動していたデータとアナリティクスの職務を担う人々の間で、インタラクションやコラボレーションが増加。役割の範囲が多様化すると指摘する。
トレンド8は「データの流通や取引市場」となる。2022年までに大企業の35%が公式のオンラインデータマーケットを通じて、データの売り手または買い手になるとみている。
トレンド9は「データとアナリティクスにおけるブロックチェーン」となる。2021年までにパーミッション型ブロックチェーンの用途のほとんどが、台帳DBMS製品に取って代わられると予測する。
トレンド10は「データとアナリティクスの価値基盤を築く関係分析」となる。2023年までに全世界の組織の30%において、意思決定に役立つ迅速なコンテキスト(文脈)化をグラフ・テクノロジーが支援するようになる、と主張している。