SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

EnterpriseZineニュース

Zuora、買収した「Zephr」を国内向けに発売 毎日新聞が導入してLTV最大化へ

 2023年11月15日、Zuoraは新製品の国内販売にともなう記者説明会を開催。同社のイベント「Subscribed Connect Tokyo」の開催にあわせての発表となった。

 日本国内では、Apple MusicやNetflixなどがローンチされたことを受けて、2015年が“サブスクリプション元年”と言われており、そこから年を追うごとに市場が拡大する中、昨今は市況も一段落。製造やIT・ソフトウェア、新聞・出版など、危機感の強い業界・業種における本格的な取り組みが見受けられる。Zuora Japanでは、自動車や家電、重電、複合機などの国内製造業における導入も進んでいる一方、ユーザーを取り巻く環境は大きく変化しており、「『Modern Business』が成功の鍵になる」とZuora Japan 代表取締役社長 桑野順一郎氏は指摘する。

Zuora Japan 代表取締役社長 桑野順一郎氏
Zuora Japan 代表取締役社長 桑野順一郎氏

 従来のプロダクト販売モデルでは出荷台数などが重要視されていたが、約15年前から始まったサブスクリプション・エコノミーによって“利用”へと観点が移っていった。一方、サブスクリプション市場は成熟し、“サブスクリプション疲れ”と言われるような飽和状態へと市況が変化している。実際に、SaaSのNRRと売り上げ成長率を比較しても成長は減速しているという。その状況下、従来的な手法に回帰する企業が見受けられるが「そのようなやり方を続けてはいけない」とZuora 創業者兼CEOのティエン・ツォ氏。サブスクリプション・エコノミーへと移ったNew WorldからOld Worldに回帰するのではなく、"New" New Worldへと移行すべきだとして、前述した「Modern Business」の重要性を訴える。

Zuora 創業者兼CEOのティエン・ツォ氏
Zuora 創業者兼CEOのティエン・ツォ氏

 持続的な競争優位性を築くためにはModern Businessが欠かせず、リカーリングリレーションシップ、リカーリングレベニューだけでなく、“リカーリンググロース”を戦略として重要視する必要があると話す。たとえば、The New York Times Companyは、脱バンドル化を推し進めることで顧客ニーズに沿ったビジネスへと転換できているように、持続的な成長をもたらすフライホイール(仕組み)に適切な収益化技術を組み合わせ、LTVを最大化していくべきだという。

 そこでZuoraは、英ロンドンで開催されたイベントにて「Zuora for Consumption」にネイティブメディエーションエンジンを搭載することを発表。ニアリアルタイムに消費状況を可視化して、適切な打ち手を講じることができるとツォ氏。加えて、Web経由の収益向上を実現するためのソリューションとして「Zephr」を発表しており、日本国内での販売も行うことを公表した。

 従来のZuoraソリューションにおいては、CRMからERPに至るまでの一連の処理フローをカバーしていたが、Zephrによってその領域を拡大していくという。具体的には、サイト訪問者の属性に応じて適切なオファリングを行えるとしており、たとえば初回訪問者には試用プランを提案したり、既存顧客には特別価格での購入を促したりする仕組みをノーコードで設定できる。通常の開発工数が必要なところを専用ビルダーで容易に構築できるため、必要な施策をスピーディーに試すことが可能だという。

 既に日本国内では、毎日新聞やぐるなびがユーザーだとして、毎日新聞社 デジタル推進本部長CDO 高添博之氏が登壇。同社では2015年6月からサブスクリプションを導入しており、毎日IDの会員は127万人と毎月1万人ほど新規会員が増えている一方、「スタンダードとプレミアムという、2つのサブスクリプションプランを用意している中、果たして読者のリクエストに応えられているのか。これまでのやり方では限界があると感じていた」と話す。

毎日新聞 デジタル推進本部長CDO 高添博之氏
毎日新聞 デジタル推進本部長CDO 高添博之氏

 同社では、会員管理システム「Azusa」を内製開発しており、Zuoraとデータ連携させながら前述したZephrを導入。会員ごとに適切なオファリングを行えるだけでなく、ABテストも瞬時に行える点が決め手となったという。従来は、開発工数に2週間ほど時間を要していたが、Zephrならばノーコードで工数を削減できるだけでなく、実施状況を可視化できるところが利点だと高添氏。ダイナミックオファーの機能を使いながら、より顧客のニーズに応えていきたいと述べ、会見を締めくくった。

【関連記事】
Zuora、「Unified Monetization(統合収益化)」ソリューションを提供へ
デロイト トーマツとZuora、サブスクリプションビジネスでの協業を強化
Zuora Central Platformに新機能が追加され、ワークフロー機能の一部を無料提供へ

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
この記事の著者

岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)

1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/news/detail/18772 2023/11/17 11:42

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング