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経営リスクの分析をクラウドサービスで実現 デロイト トーマツが提唱する次世代のリスクマネジメントとは

人、モノ、カネ、情報の不足がリスクの見落としにつながる

 あらためて企業のリスク対策について振り返ってみよう。冒頭に述べたようにリスク管理の必要性は高まっていつつも、ビジネス環境の変化に対策が追いついていない。手つかずになる背景として、中瀬氏は「人、モノ、カネ、情報のいずれかのリソースに課題があることが多く見られます」と指摘する。

有限責任監査法人トーマツ リスクアドバイザリー事業本部
デロイトアナリティクス  マネジャー  中瀬 真一氏

 まず、人がいない。これまでリスク管理といえば経験や勘によるところが多く、いわば属人化していた。しかしアナログな勘ではもはや追いつかない。デジタルなデータ活用に活路を見いだそうにも、データサイエンティストやデータを扱える人がいない。  

 モノやカネもない。モノとは分析するためのシステムや環境を指し、それを構築するためのカネ(予算)もない。準備が整っていないということだ。染谷氏は「特に日本ではリスク管理は収益を生まないという認識があり、投資の優先順位が下げられる傾向にあります」と話す。  

 情報がないとは、分析に使うデータや知見を指す。リスクの兆候をとらえるリスクシナリオの立案は専門家でないと難しい。特に新規事業など新しい分野であれば、未経験なのでリスクに対しても感度が鈍くなる。  

 本サービスはリスク分析で実績があるデロイト トーマツの知見を生かし、データ分析をパッケージ化したクラウドアプリケーションだ。シナリオとデータ分析がセットとなっており、既存システムからデータを提供すればいいので、敷居はそう高くない。  

 本サービスにより、これまでリスク分析ができていなかった領域でリスク分析ができるようになったケースが広がっているという。例えば買収した海外の子会社、コア事業に含まれない子会社など、軽視されがちな子会社や事業領域などがある。そうした領域には監視の目や投資もなかなか届かない。しかし何らかの不正が発覚したら親会社にまで影響が及ぶこともありうる。自社のリスク管理に死角はないか――あらためて検証してほしい。

【サービスURL】
リスクアナリティクス オン クラウド(Risk Analytics on Cloud)サービス

【事例紹介 PDF公開中】
 

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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