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Oracle CloudとAutonomous DWHはデータドリブン・ビジネスの夢をかなえる

クラウドで安価に手間なくデータを溜め活用できる

 多くの企業には、既にデータウェアハウスのようなデータ分析基盤があるだろう。しかしながら、それがイノベーションに十分活用できている企業は多くない。「データウェアハウスは金食い虫で、管理の手間も大変です。そのため情報システム部の立場からは、使わないデータはなるべく入れたくない、となります」と立山氏。そうなるとビジネス現場が新たなデータ活用をしたいと考えても、欲しいデータがデータウェアハウスには入っていないことに。つまりは新たな分析を行いたいと考えても、かなり苦労しないと必要なデータが手に入らない。苦労してデータを集め分析できるようにするには、かなりの時間と手間がかり、結局はデータウェアハウスを活用し切れていないのだ。

 そのような課題を抱えていたところに、新たな解決策としてクラウドのサービスが登場する。クラウドのサービスを使えば、データを蓄積し管理・活用する手間とコストが大きく下がる。たとえば「クラウドのオブジェクトストレージであれば、1テラバイト当たりの価格が25.5ドルほどです。ここまで安ければ、蓄積するのを諦めていたデータもどんどん溜めて活用したほうがいいとなります」と立山氏。

 Oracle Cloudは他のパブリッククラウドより後発ということもあり、先行するクラウドサービスよりもかなりリーズナブルな価格設定となっている。つまり、Oracle Cloudのような新しいサービスを活用すれば、あると嬉しいデータを保持しておくコストと手間がかなり小さくなる。欲しいデータをどんどんクラウドに集めるコストは、データを保持しないことで発生するビジネス機会損失の金額よりもかなり小さい。となれば、データドリブン・ビジネス実現のためにも、クラウドにデータを溜め活用しない手はない。

 クラウドサービスを用い、取得できるデータの幅を広げ、それをライトタイムに活用できるようにする。たとえば、従来月次や日次などのタイミングでデータを見ていた状況から、新たにストリームデータを取得し必要なときにリアルタイムにそれを参照してビジネス上の判断ができるようにする。在庫状況を日次でしか回答できなかったものが、1時間以内、あるいはほぼリアルタイムで回答できればビジネスは変わるだろう。

 他にも小売店舗などでよく行われるRFM(Recency:最近の購入日、Frequency:来店頻度、Monetary:購入金額規模)分析も変わる。RFM分析では顧客が何を購入しどれくらいの頻度で来店しているかといった、過去の情報は明らかになる。しかしながら、来店はしたけれども購入しなかった顧客のことは分からない。そこで、購入しない顧客の情報を取得する。たとえば、スマートフォンのアプリケーションなどを使えば、位置情報などから来店状況を把握できる。そういった技術を使い、RFM分析の幅を広げ、次に商品を買いそうな人を抽出し、新たなアクションに結びつけるのだ。

次のページ
Oracle Autonomous Data WarehouseでIT部門に手間をかけずに小さくデータ活用が始められる

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

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