オンプレミス環境からSAS Cloudへ、2ステップで移行
最後に檜皮氏は既存のSAS環境からSAS Cloudに移行するにあたって、想定される流れについても触れた。

オンプレミス環境で利用している場合、複数の契約窓口があり、それぞれSLAも異なる。この状態からステップ1として、既存環境の中身を変えることなく、SAS Cloudに移行、エンドユーザーは同じインターフェイスなので「比較的抵抗が少ない」一方で、複数の契約が単一となりSLAも1つとなる。
そして、ステップ2としてクラウドネイティブなアーキテクチャに移行する。これにより、クラウドのメリットを享受できる分析環境へと最適化し、クラウドネイティブなアーキテクチャを持つSASのAIプラットフォーム「SAS Viya」を適用することで、AIの活用まで広げることができる。
このようなSAS Cloudへの移行を支援するべく、SASは「イニシャルアセスメント」として既存のSAS環境の把握、概算費用の見積もりを行う約2週間のプログラムを用意している。
クラウドへの移行を検討中の顧客に朗報となるのが、SASが2020年6月に締結したMicrosoftと戦略的提携だ。これにより、MicrosoftのIaaS「Microsoft Azure」など、「2社の技術を利用した、最高のアナリティクス環境の提供が可能になりました」と檜皮氏。

既にSAS環境をAzure上でSAS向けに最適化された環境に移行することで、SASの処理時間を50%短縮した企業、ハードウェア、設備などの総所有コスト(TCO)を83%削減した企業などの事例も出てきているという。
この記事は参考になりましたか?
- SAS FORUM JAPAN 2020レポート連載記事一覧
-
- 分析もクラウドの時代、「SAS Cloud」でDXを加速
- BIツールにAIを 拡張アナリティクスがもたらす分析業務の変革
- AI、IoT技術を活用し生産工程の大幅改善を実現 住友ゴム工業が実践するデータ分析事例
- この記事の著者
-
末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)
フリーランスライター。二児の母。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア