社内ユーザー会を実施し、ドキュメントを超えたナレッジを共有
──では、顧客に対してSnowflakeをどのように提案をしているのでしょうか。
菱沼氏:たとえば、お客様がBIツールでデータ分析をしたい場合、ユーザーごとに見せるデータを変えたいケースでは、既存のデータウェアハウスとBIツールの連携がうまくいかず、データの準備に多大な工数がかかってしまうという課題が散見されます。このときSnowflakeなら、ユーザーごとにデータを出し分ける機能があるため、導入するだけで課題を解決できる。加えて、パフォーマンスが圧倒的に良いために、移行するだけで維持費が安くなるという効果もお伝えしていますね。
特に、私はエンジニアとしてお客様に向き合うことが多く、データ基盤を構築する際にしっかり課題を拾い上げて、解決策を提案しています。その際、様々なソリューションがありますが、現在のところ最も良い選択肢の1つとしてSnowflakeを提案することが多いです。
また、提案時に気をつけていることが「空気を読みすぎずに本質を伝える」ことです。勇気をもって不要なものは不要とはっきり言います。もちろん、驚かれるお客様もいるのですが、薄々感じていた本音である場合もあります。実はわかっているけれど言えないことも正直に伝えることで、「実は私もそう思っていました」と言われることが多いです。
──社内では、どのようにSnowflakeを利用しているのでしょうか。
菱沼氏:社内でも多くのメンバーが利用しているので、それぞれのナレッジを社内に広めていけるよう、社内でユーザー会を開催しています。ちょうど取り組みを始めてから1年くらいになるのですが、週次で情報を共有しています。たとえば、新機能のレビユーや導入事例の共有、うまくいかない場合の相談など、時間は30分くらいですけど毎週20名くらいが参加してくれています。個人で公式ドキュメントを読むだけでは問題を解決できない場合も多いので、非常に役立っていますね。
──社内でも活発に利用をされていますが、あらためてSnowflakeの魅力を教えてください。
菱沼氏:先ほども挙げましたが、セキュリティ機能とコストパフォーマンスです。それ以外では、データ共有のしやすさが挙げられますね。実は、データ分析のプロジェクトを担当する際、膨大なデータをZIPやCSV形式でいただいたり、オンラインストレージ経由で入手したりすることがあるのですが、これが少し厄介なのです。
たとえば1TBのデータを共有したいとき、1GBずつ分割して1,000ファイルの受け渡しとなるわけですね。すると時間も手間もかかるため、尻込みしてしまいます。しかし、Snowflakeにデータがあればアカウントを共有するだけですぐにクエリを投げられるため非常に簡単なのです。さらに、データをマスクすることで匿名化などもできるため、オペレーションさえミスしなければ楽にかつ安全に共有できます。
それから、「Snowflake Data Marketplace」もいいですね。Truestar社やウェザーニューズ社などが人口や天候などのオープンデータを公開していますので、集めて加工するなどの準備もいらず活用できます。加えて、Snowflake自体の進化が早いことも魅力のひとつですね。時間のかかるクエリが存在したとき、「なんでこんなに時間かかるんですか?」とSnowflakeのサポートに相談したら半日で改善してくれました。改善後は問題のあったクエリの応答も1秒になるなど、サポートも手厚く、サービスメニューやカタログスペックにはない良さがありますね。
最近でも、問い合わせやドキュメントが英語のものがほとんどだったものが、日本語化対応が一気に進んでいるなど進化していることを感じています。