SANmelodyサーバの構成と特徴
1.汎用ハードウェア
SANmelodyサーバは多くのサーバ仮想化ソフトウェアと同様、IAサーバの上で構成する。「IAサーバで構成するストレージコントローラ」と考えると分かりやすい。これにより選択肢は増え、要件にあったさまざまなタイプのストレージ仮想化サーバが構成できるのである。
2.Windows Server OS
SANmelodyは、Windows Server OS上で動作するソフトウェアである。ストレージコントローラに代わる仮想化サーバがWindows上で動作する事に抵抗を感じる方もいるかもしれないが、これには理由がある。ストレージの仮想化の場合はサーバの仮想化と違い、まったく仕様の異なるストレージを超えて管理することが求められる。Windows OSを採用しているポイントはここにある。
SANmelodyのリソース管理は、まずWindows OSで各ディスクアレイから提供されたボリューム(LUN)を認識し、次にWindows OSが認識したボリュームを未フォーマットのまま仮想化する。
この機能により、Windowsに対応しているすべてのストレージリソースを仮想化することができる。
3.FCおよびiSCSIターゲット
IAサーバ上のFC-HBAやNICはFCおよびiSCSIのターゲットとして機能する。構成するIAサーバの拡張スロットに応じて、ターゲットを自由に拡張することができ、FCとiSCSIターゲットの混在も可能である。各ターゲットをそれぞれアクティブに動作させるため、帯域を自由に増やす事も可能である。
4.ブロックキャッシュ
IAサーバ上の物理メモリは最大80%がブロックキャッシュとして動作する。IAサーバのメモリを使用することで、大容量のキャッシュを簡単に提供することが可能になる。このキャッシュサイズは、IAサーバに搭載されている物理メモリのサイズに応じて動的に割り当てられる仕組みになっている。
ブロックキャッシュとして割り当てられたメモリはSANmelodyからは参照できないため、相互に干渉する事なく信頼性の高いキャッシュを提供することが可能になっている。
また、SANmelodyのキャッシュは、Read/Writeの両方に効果を発揮し、SANmelodyサーバを冗長化することによって、Writeキャッシュの同期をとる事も可能にする。
このように、汎用的なプラットフォームを採用する事で、自由で柔軟性の高い構成でありながらも、高い信頼性と機能性の提供を可能にしている。