エンドユーザーが行えるBPMの分析・設計
業務ノウハウとITを組み合わせてプロセス改善のスピードを加速し、ビジネス変革を円滑かつ継続的に展開する。それがBPMだ。では具体的にどう実践するか。
BPMは、ビジネス・アナリスト、ITアーキテクト、IT 開発者、プロセス所有者、ビジネス・リーダーなど数多くの関係者によるチーム作業となる。それだけに、それぞれの視点、関心事の違い、コミュニケーションミス、異なったルールなどによりさまざまなギャップが生じる危険性がある、と中島氏は指摘する。
これを埋めるために何より重要となるのが、立場の異なる関係者が共通の理解を得るための言語・モデルを使うこと。また、それらを用いることのできるオープンスタンダードベースのツールや、ツール間連携による一貫したプロセスの設計・実装も欠かせない。
BPMの実践は、分析・設計を行なう「ステップ1」と実行の「ステップ2」と大きく2つのステップから構成されるが、前者にはWebSphere Business Modelerの対話型プロセス設計が有効だ。事前定義された「ビジネススペース」を使用することで、ビジネス・アナリスト自身がプロセスを設計して、テストする段階まで一人で実施できる。
ビジネススペースは、WebSphereのBPM製品で提供されている、マッシュアップテクノロジーベースのGUI。ユーザーはあらかじめ用意されたウィジェットを組み合わせることで、専用ページを作ることができる。ここで中島氏はビジネススペースを立ち上げ、デモを実施。米国企業社員の医療費請求プロセスを設計するという想定の下、プログラミングを行うことなくアイコンのコピーや簡単な追加入力を行なうと「少額請求ケース」「高額請求ケース」2種類の業務プロセスが組みあがった。